バイリンガル育児のお手本になる成功例を紹介! ごく普通の家庭でも英語に触れさせられる動画リストも公開

出産・子育て

更新日:2019/12/27

『おうちでほぼバイリンガルの育て方』(主婦の友社)

 海外企業とのビジネスが増え、観光で日本を訪れる外国人も急増し、日本にいても英語に触れる場面が増えている。来年からは小学校でも英語が教科化されるということで、幼少期の英語教育に関心を持つ人も増えているようだ。「バイリンガルの子ども」と聞くと、「帰国子女」や「両親のどちらかが英語圏出身」というイメージが強いが、そのような環境ではなく、親が日本人で、日本で暮らしていても、子どもをバイリンガルに育てることは可能らしい。

『おうちでほぼバイリンガルの育て方』(主婦の友社)では、「両親が日本人」で「子ども時代に長期の海外滞在や留学を経験せず」「お金をかけずに家庭学習」で、子どもをバイリンガルに育てた4人の親が、Case1からCase4に分けて紹介されている。

 それぞれに実践した英語学習法は異なるが、共通するのは、英語を生活の一部にして、子どもが毎日英語に触れるようにすることだ。ここでは、Case3とCase4をご紹介しよう。

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>>Case1とCase2のご紹介はこちら

■Case3 喜田悦子さん

 3人目の親の喜田さんは、家庭に英語ネイティブの環境をつくり、息子さんが小学6年生で英検1級に合格した。彼女の成功のメソッドはこちら。

1.英語音声をBGMにして暮らす
2.100万語を目標に英語絵本を多読
3.オンライン英会話でアウトプットの場を確保

 息子さんを「賢い子に育てたい」と思い、2歳10カ月で英語育児を開始した喜田さん。日本語と同じように英語を習得させるために、毎日の生活で大量の英語に自然なかたちで触れられる環境をつくった。親からの語りかけも実践したが、発音に自信がなくても、子どもは英語音声のかけ流しやアニメ視聴で発音を矯正できるので問題ないそうだ。日々の生活で英語をインプットし、アウトプットのためにはオンライン英会話を活用している。

■Case4 小田せつこさん

 大学生の時に海外留学を経験し、現在は中学、高校、専門学校、大学などで教鞭をとる小田さん。動画を使って英語耳を育てることで、子どもを18歳でバイリンガルにした。成功のメソッドはこの3つだ。

1.赤ちゃん期は歌や絵本で生活に英語を織りまぜていく
2.幼児期は英語の動画で大量インプット
3.小学校高学年から中学生は教科書の英語を精聴&耳コピ発音

 自らを「英語オタク」と話す小田さんは、娘さんと息子さんに「英語という手段をプレゼントしたい」と決意したそう。幼い時から自然と英語に触れる環境をつくり、幼稚園までは日本の幼児番組は見せずに「テレビは全部英語」を徹底した。その後、中学1年生頃からは教科書のCDなどを使って、音読しながら発音を練習する。とにかく英語を「インプット」することを重視しており、インプットが十分であれば、英語を使う環境になった時に、それほど苦労せずに対応できるとのことだ。

 この2つのケースに共通するのは、とにかく英語を大量にインプットすること。そのために、常に英語が流れている環境にすることを重視している。動画であれば、英語が分からなくても動きで伝わる部分が多く、子どもも楽しく英語に触れることができる。最近は、YouTubeなどの無料動画サービスも豊富にあるので、利用してみる価値は大いにありそうだ。Case4の小田さんおすすめの年齢別動画セレクションには、大人も一緒に楽しめそうなものが多数紹介されている。

 英語に対する苦手意識が強い親の中には、子どもへの英語教育はハードルが高く感じられるかもしれないが、そこはご心配なく。いまは英語の無料動画など、ネイティブの英語に触れられる材料がたくさんあるので、それを活用すれば問題ない。本書に掲載されているQ&Aにも、「親は英語ができなくても大丈夫」との心強いコメントがあるので、子どもと一緒に楽しく英語を勉強するくらいの気持ちで始めてみてはいかがだろうか?

文=松澤友子