『世界一受けたい授業』で話題のドクター直伝! 肩ガチ、胸バク…6タイプ別「もやもや不調」改善術

健康・美容

更新日:2019/12/26

『心と体のもやもやがスーッと消える食事術』(工藤孝文/文藝春秋)

 なんとなく体の具合が悪い。病院に行っても何の診断名もつかないが、ぼんやりと体に不調を感じているという人は決して少なくないだろう。体の調子が整わないと、何だか心ももやもや。そんな憂鬱な気分を抱えている人には、この本が良い処方箋になるかもしれない。

『心と体のもやもやがスーッと消える食事術』(文藝春秋)は、「世界一受けたい授業」や「ホンマでっか!? TV」などテレビで話題のドクター・工藤孝文氏による“もやもや不調”改善のための1冊。ダイエット外来ドクターである工藤氏は、これまでのべ10万人以上の患者を診察してきたというが、ダイエットの相談に来る患者のほとんどは病名のつかない不調を抱えており、それを治療することがダイエットにつながるのだという。

 例えば、うつっぽさがとれると過食がおさまるし、肩こりがおさまると夕食の量が減るし、便通がよくなると甘いものをそれほど欲しくなくなる。そんな治療にあたる中で工藤氏が考案したのが、漢方のアプローチと食事指導を柱とした6つのタイプ別食事術。この本で自分のタイプに合った食事術を学ぶことで、自身の不調を改善することができるのだ。

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 工藤氏によれば、心身のもやもやとした不調は、次の6タイプに集約できるという。

・A 頭イタイタ型
・B 肩ガチガチ・首ロック型
・C 胸バクバク痛む型
・D 喉ツッカエ型
・E 目グルグルor耳キーン型
・X 下痢ピー型

イラスト=アオノミサコ

 診断方法は簡単。自分の「一番つらい症状」に該当するものを選ぶだけなのだという。私はよく胸のあたりが痛むので、「胸バクバク痛む型」だろうか。それとも、パソコン作業ばかりで慢性的に肩や首が凝っているから「肩ガチガチ・首ロック型」だろうか。どちらの症状も気にはなるが、一番気になる胸の不快感を改善するため、「胸バクバク痛む型」の食事法を学ぶことにした。

「胸バクバク痛む型」の人に必要なのは、ストレスを遠ざけてリラックスすること。「胸バクバク痛む型」は、心の不調が動悸や胸の不快感となって現れているため、日頃からストレス対策を欠かさないことが最大の予防策なのだという。食事でストレス対策に効果を発揮するのは、香りの強い香味野菜やハーブ。特にストレスを感じた時は、ジャスミン茶と緑茶の茶葉を1対1の割合で混ぜて淹れる「ジャスミン緑茶」がオススメなのだという。ジャスミンの自律神経を整える効果、香りのリラックス効果に加え、緑茶のうまみ成分「テアニン」が気分を安定させてくれるらしい。そのほかにも、血管を広げて血流を促進する効果のあるココアや、自律神経のバランスを整えてくれるトマト、納豆、キムチなどもオススメなのだという。

「食事術」の本というと、「あれは駄目、これは駄目」と制限ばかりかけられるものかと思ったが、本書が紹介する食事術は、何かに我慢して取り組む必要はなく、自分のタイプにあった食材を無理なく試すことができる。強制は何もないのに、ただ、この本に書いてある通り、意識して自分が取るべき食材を取るだけで体調が整うことに驚かされる。

 この本は、あなたの“もやもや不調”を治す処方箋。自分にあった食生活で心身の調子を整えてみよう。

文=アサトーミナミ