幼い少女の持つ好奇心の恐ろしさ。超奇鋭漫画家が描く、毒素満載の残虐なエロス

2012/5/31

2週間のアバンチュール

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 太田出版
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:中村明日美子 価格:500円

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読了後に、なんとなく口の中が苦くなりました。なんだこれ。いやな感じ。と言うよりも、そうだ、「怖い」という言葉がぴったりだ。
作者である中村明日美子さんは、この名前を知らない漫画好きは、モグリだと思うぐらい有名な方です。BLから少女漫画、そしてハートフルなコメディも描く、超素敵な作家さんです!

今作も、BL、GL、レイプ、ロリータ、性転換、不倫、何でもありの短編です。
別冊で大人気「トースト考」の続編、「チーズトースト考」や、性転換して女性になった「ヒメコちゃん」。中でも「彼の左目」は別冊「Jの総て」「ばら色の頬のころ」の番外編でもあるので、それ目当てで買う方も多いのではないでしょうか。

表題作である「2週間のアバンチュール」は「南仏」「修道院‐前編‐」「修道院‐後編‐」に分かれています。アンジュと、林間学校で出会う112歳の少女達の、たった2週間の物語。「南仏」では、初めて林間学校に参加するアンジュと、おしゃまなローズが主人公になります。

大きな瞳におしゃれな服で、マニキュアや口紅を塗り、目立つ風貌の可愛いローズ。当初こそアンジュと仲良くしていたのに、途中から、アンジュをいじめるようになります。それに対するアンジュの仕返しが恐ろしいの何の。ローズのことが気になっていたロリコン学生教師をたきつけて、真夜中に…。

「修道院」では、初経が訪れたマリー・ルーに「それは悪魔が乗り移ったせいだ」と言い、自らをエクソシストだと主張して、毎夜、秘密の儀式を行ったり…。

もう、これが子供のする事ことかと。いや、むしろ子供だからこそなのかもしれません。好奇心を満たす為の善悪の伴わない残虐性。こんなに純粋な毒々しさを感じた漫画は久しぶりでした。

子供がするからこそ、善悪の判断が曖昧な分、次に何をしでかすのかが分からなくて余計怖い。それでも、どんな内容だったとしても「読ませる力」というものが、この漫画にはあるのです。


「あたしもう こどもじゃないわ」。おしゃまな女の子の定型文

ローズの下着を見る、学生教師の目。それに気づくアンジュの目。たった1ページの密度がハンパない!

夜な夜な、熟睡するローズに歩み寄る欲望。それを眺めるアンジュ。怖いよおぉ(泣)

「あたし 先生のひみつ しってます」。12歳のニヒルな笑み。そして、「あたし 先生の 味方よ」

マリー・ルーに取り付いた「悪魔」を祓うための儀式。アンジュの行動は段々とエスカレートしていく… (C)中村明日美子/太田出版