しつこい疲れも頑固な腰痛もテニスボール2個で消える

健康・美容

2020/4/2

『絶対に疲れない体をつくる関節ストレッチ』(酒井慎太郎/KADOKAWA)

「世界20カ国で座っている時間が最も長いのは日本人」
「1日11時間座っていると、死亡リスクが40%アップ」

 こうしたライフスタイルにより、日本人が急増している“デスクワーク症候群”。その慢性疲労を撃退し、「疲れない体」をつくることができるストレッチを人気の柔道整復師が初公開する。

データが証明する“座りすぎ大国”ニッポン

「座ったままで動かない」生活スタイルが、疲労からうつに至るまで多種多様な不調につながるため、私は「デスクワーク症候群」と名づけて注意を投げかけている。

 そもそも、日本人は座りすぎだ。

 2011年にアメリカで発表された調査結果では、世界20カ国のうち、日本はサウジアラビアと並び「座っている時間」が最長である。

 1日の総座位時間は、中央値で420分=7時間。
 20カ国を合わせた中央値は300分=5時間だから、大きな開きがある。

 そのうえ、この調査における日本人で最も長く座っていた時間は、なんと600分=10時間であることが判明している。

 この調査は2002〜2004年の間で行われ、20カ国の18〜65歳、約5万人のデータを元に発表されたものなので、信用度は高いと感じている。

 大規模な調査で、こうした結果が出ているのだから、日本は“座りすぎ大国”と言っていいだろう。

 そして、座りすぎによる健康面での悪影響について、私は「デスクワーク症候群」という言葉を使っているが、同様の動きは海外でも出てきている。

 アメリカの栄養誌『Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics』では、「What issedentarism? /セデンタリズム(動かない生活)とはなにか」というレビューを2012年に掲載。

 デスクワーク症候群と同様に、「sedentarism /セデンタリズム」という“新しい言葉”を使いつつ、職場や家庭で長時間座り続ける人が今後も増えていくことに警鐘を鳴らしていた。

 また、「sitting disease(座り病)」という言葉も使われるようになってきた。

 座りすぎな国の人間であれば、こうして世界的にも注目されている内容に、じゅうぶんに気を配りたいものだ。

立ちっぱなしでもデスクワーク症候群!?

「デスクワーク症候群」という言葉の文字を見ると、“オフィスワーカーだけの話”と捉えられてしまうことが多いが、実はまったく違う。

 デスクワークをしている人たちには、「前かがみの悪い姿勢で座り、関節を動かさない姿勢を長時間続ける傾向がある」ため、便宜上「デスクワーク」という言葉を使ったということだ。

 実際、デスクに向かわなくても、こうした仕事のスタイルで働いている人は、たくさんいると思う。

 例えば、次のような人たちだ。

 タクシー・バス・トラックなどの運転手を筆頭に、マンションや駐車場の管理人、銀行や公共施設などの窓口の人。あるいは、美術館の館内にいる学芸員、宝くじ売場の販売員など。

 こうした業務は、私が普段見かける範囲でも「座っている時間が長いだろうな」と考えられる仕事だ。

 専業主婦や仕事を引退した人なども、日中のオンタイムに座っている時間は長い傾向がある気がする。

 仮に、ソファやじゅうたんに寝転がって、同じ姿勢でテレビを見続けているとなれば、結局は関節を動かしていないのだから、デスクワーク症候群とほぼ同じ状態なのだ。

 さらに言うと、反対に「立ちっぱなし」であっても、関節を動かさないケースはかなりあるはず。

 そこで、自分が当てはまると感じたら、デスクワーク症候群とほぼ同じと考え、関節疲労に注意していただきたいと思う。

テニスボールを使ったストレッチで疲れ解消!

 そこで、お勧めしたいストレッチが「腰のテニスボールストレッチ」。

 ポイントになる関節は、腰にある仙腸関節だ。

 この関節は、全身にあるすべての関節の中で最も重要なレベルに属する。

 それにもかかわらず、動きの幅が非常に小さく、カギをロックしたかのように固まって動かなくなることさえある関節なのだ。

 だからこそ、「腰のテニスボールストレッチ」を習慣化し、万全の疲労対策を取っていただきたいと思う。

 効果を大幅に高める“秘密兵器”と言えるテニスボールは、その大きさ・硬さ・弾力性が関節ケアに最適。

 テニスボールをポイントに当てて横になるだけで、私が患者さんたちに普段行っている治療法「関節包内矯正」に限りなく近い作用を生み出す。

 テニスボールは、2個のボールをくっつけた状態で使用する。
 おかげで、このストレッチは、腰の左右に2つある仙腸関節へいっぺんにアプローチ可能。たとえガチガチに固まった状態だとしても、適切な刺激で緩められる。

 それが、腰〜下半身にかけての疲労を解消し、全身の疲れも除去する第一歩になるのだ。

 腰周りの軽度の疲れなら、これだけでグッと楽になるはずだ。

 長年の腰痛持ちの人にも、特にお勧めしたいストレッチである。

 ぜひ、試してみてほしい。



【著者プロフィール】
酒井慎太郎(さかい・しんたろう)
さかいクリニックグループ代表。
柔道整復師。千葉ロッテマリーンズ公式メディカルアドバイザー。中央医療学園特別講師。整形外科や腰痛専門病院、プロサッカーチームの臨床スタッフとしての経験を生かし、腰痛やスポーツ障害の疾患およびパフォーマンス向上のための施術を得意とする。解剖実習をもとに考案した「関節包内矯正」を中心に、これまで100万人を治してきた実績を持つ。俳優やアスリート、政治家、一流経営者など多くの著名人のボディメンテナンスも行い、絶大な信頼を得ている。テレビ番組では「神の手を持つ治療家」として紹介されるなど、マスコミ出演も多数。

この記事で紹介した書籍ほか