「ウチってどれくらいお金あるの?」子どもに聞かれたらヒントにしたい、“お金の基本”が文庫化!
更新日:2020/4/11
本日発売の「文庫本」の内容をいち早く紹介!
サイズが小さいので移動などの持ち運びにも便利で、値段も手ごろに入手できるのが文庫本の魅力。読み逃していた“人気作品”を楽しむことができる、貴重なチャンスをお見逃しなく。
《以下のレビューは単行本刊行時(2018年9月)の紹介です》
家族とお金の話をするのはむずかしいもの。私自身も、小学生のころから「ウチってどれくらいお金あるの?」なんて質問をして、よく親を困らせていた。親がどんな仕事をしていて、どれくらいの稼ぎがあるのか、そのうちどれくらいを自分の教育に使ってくれているのか…。
それをきちんと理解できたのは、高校生くらいだったように思う。私の親は比較的オープンな方だったが、なんとなくお金の話はいやらしく思えてしまい、子どもとうまく話せていない…という親御さんは多いのではないだろうか。
本書『いま君に伝えたいお金の話』(村上世彰/幻冬舎)の著者は、お金とは善悪のない“便利な道具”であるといい、早いうちからお金について考える習慣を持つべきだと語る。どのみち、私たちは大人になればお金の現実を知り、付き合っていくことになる。だとしたら、そのときにお金で損をせず、幸せに暮らせるように、子どものうちからお金について考えることは大切だ。
■ムダ遣いって何だろう?
子どもが少し高いものや、よく知らないものを買おうとするとき、つい「そんなムダ遣いはやめなさい!」と言ってしまう親は多いだろう。だが、子どもからしてみれば、今それが欲しくてたまらないのだから、「ムダ遣い」という意識はない。とはいえ、子どもの思うままに使わせるわけにもいかない…。それでは、どうすれば子どもの「ムダ遣い」をなくせるのだろうか。
著者によれば、お金とは幸せに生きるための道具であるから、お金は自分のやりたいこと、幸せに思えることに使うべきである。すなわち、子どもが「ムダ遣い」をしないためには、それが“自分にとって価値があるものなのか”を判断する力が必要になる。子どもが買い物をしようとしていたら、それを頭ごなしに否定するのではなく、子ども自身に「それは本当に必要か?」を考えさせてみてはどうだろう。
■実践編:食事代当てゲーム
普段目にする商品やサービスの「値段」からは、お金について学べることがたくさんある。同じ鉛筆でも種類によって値段が違ったり、去年と今年でサンマの値段が違ったり…。値段には、世の中のさまざまなことが関係している。
たとえば、それは季節や気候の変化、工場の場所、使う素材、流行、需要と供給…などなど。身近なものの値段は、子どもにとっては格好の勉強材料になる。そこで、著者が“実践編”として推奨しているのが「食事代当てゲーム」である。詳細なルールは本書を参照してほしいのだが、要は「ぐるぐるナインティナイン」(日本テレビ)の「グルメチキンレース ゴチになります!」的なもの。
家族で外食に行った際、参加者がそれぞれ食事代の合計金額を予想し、実際の予想金額に最も近い人が勝ちとなる。お店に着いたら、自分が頼まないものの値段もなるべく暗記し、なぜその値段なのかを考える。
覚えられない分は、食材の需要と供給や、お店のグレード・サービスの質なども勘案しながら予想をする。著者は、こうして4人の子どもと楽しくお金のトレーニングをしているのだという。
本書は、他にも「夢を追いかけるときこそお金が大事」「リスクとリターンの考え方」「寄付をする理由」などのテーマから“お金の本質”をわかりやすい言葉で教えてくれる。使い方としては、本書をそのまま子どもに買い与えてもいいだろうし、親が先に読んでおき、子どもとコミュニケーションをとりながら一緒に考えてみる…というのもありだろう。本書を参考に、子どもをお金の問題から遠ざけるのではなく、きちんと考える機会を与えてみてはどうだろうか。
文=中川 凌
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