「魔法は物理学の法則を曲げられない」 魔法×ミステリーの新機軸!【マンガ】で読む『魔法で人は殺せない』

文芸・カルチャー

公開日:2020/7/10

『魔法で人は殺せない』(蒲生竜哉/幻冬舎)

 “魔法”が存在する世界を舞台とした、蒲生竜哉による画期的なミステリー小説『魔法で人は殺せない』。2020年7月1日(水)にTwitter上で本作のレビューマンガが投稿され、注目を集めている。

『魔法で人は殺せない』は「王立魔法院」に所属する捜査官・ダベンポートが、さまざまな難事件を解決していく物語。作中世界には「魔法は物理学の法則を曲げられない」「魔法は正確に魔法陣で定義されなければならない」といった厳格なルールが存在し、その法則を踏まえた上で事件のトリックが成り立っている。あくまで謎解きは現実的なロジックにもとづいており、ミステリー小説としての完成度は折り紙つきだ。

 その一方、ファンタジー作品としての魅力も語らずにはいられない。ダベンポートが奔走するのは、19世紀のイギリスを思わせるような世界。騎士団のグラムや遺体修復士の双子・カラドボルグ姉妹、そしてかわいらしいメイドのリリィなど、個性豊かなキャラクターたちが物語に華を添えてくれる。

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 今年2月に発売された単行本には、森に佇む邸宅で爆殺された伯爵夫人の謎をめぐる「魔法で人は殺せない」を始めとした6篇のエピソードを収録。ミステリーとファンタジーの境界を飛び越えるような想像力に、読者からは「魔法の定義がしっかりしていてどの事件も読みごたえがありました。ぜひ続編が読んでみたい」「ミステリーなのですが、その中心に魔法が絡んでいるところがポイント。ハリー・ポッターとシャーロック・ホームズの雰囲気を併せ持つ作品です」「魔法の物語だけあって『フラスコの中で生きている人間&動物』や『歌う猫』など、不思議なストーリーを楽しめる」と絶賛の声が相次いでいた。

 今回Twitter上に投稿されたのは、イラストレーター・やはこ(@yahako_)によるレビュー。作品の見どころや第4話「ホムンクルス事件」のあらすじが、コミカライズによって表現されている。

 本作は元々小説投稿サイト「カクヨム」に掲載されていた作品だが、まだまだ書籍になっていないエピソードは数多く残っている。今後の書籍化にも期待しつつ、“魔法”をめぐる謎解きを楽しんでみてはいかがだろう。