リモート会議でも必ず役立つ「雑談力向上」の3つのヒント。親しくない人とも上手に付き合うコツ

ビジネス

公開日:2020/8/19

『武器になる雑談力 どんな人とも会話が弾む「おもしろい話」のつくり方』(本間立平/きずな出版)

 テレワークが急速に普及した今、リモートでの会議・授業は珍しくなくなった。それ自体にはメリットも多いが、一方でリモートでは対面と比べて会話が盛り上がりにくい、心なしか場の空気が固くなりがち…という問題点があるような気がする。
 
 そんなとき、自分が「気の利いたジョークで場を和ませる、ウィットに富んだ人」だったらいいのに、とよく思う。残念ながら、私は雑談が苦手だ。いつ、どんな話題を、誰に向かって、どのように話せばいいかわからず、場が静かになると黙って周囲の様子をうかがってしまうことがある。

“実際、日本人はどれだけ雑談に自信があるのか、調査してみました。どうやら半分以上の人は、雑談に苦手意識を抱いているようです”

 上に引用したのは、『武器になる雑談力 どんな人とも会話が弾む「おもしろい話」のつくり方』(本間立平/きずな出版)の「はじめに」にある一節(ここでいう調査とは、著者である本間氏が2019年に行ったインターネット調査のことを指している)。

 会社の上司や取引先の人物のように、あまり親しくない相手との雑談では、気まずい沈黙を埋めるために、当たり障りのない話題を持ち出すのが一般的だ。たとえば、今日の天気や自分が取り組んでいる仕事のこと、職場がどこにあるか、など…。

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 このような常識的な話題なら、どんな人物が相手でも大抵話を合わせてくれるので、とりあえず沈黙を避けることはできる。しかし無難な会話に終始しているだけでは、相手に自分の印象を残すことはできないし、相手と打ち解けるのは難しい。

 では、どうすれば人と打ち解けられるような、ワンランク上の雑談力を身につけられるのか。そのヒントを本書の中から3つピックアップしたい。これらのテクニックは、リモート会議やテレワークでもきっと役に立つはずだ。

(1)「ツッコミどころ」を用意しておく

 沈黙を恐れているのは、相手も一緒。ということで、会話のきっかけを探している相手のために、あえて「ツッコミどころ=相手が話のネタにしやすいトピックス」をわかりやすく示すと良い。たとえば、個性的なデザインの名刺を相手から見えるように出しておくと、相手は「変わった名刺ですね」と話題を振りやすい。そこでデザインの由来や自分の趣味の話につなげられれば、立派な雑談に。雑談力が高い人は、常日頃から雑談の準備をしているのだ。

(2)話をする前に「本題と関係のないムダ話」をする

 リモート会議では、カメラで撮影・録画されているという意識があるためか、少し緊張してしまう。そんな場の緊張感をほぐすには、本題に入る前に「本題と関係のないムダ話」をするのが効果的だという。ムダ話の内容は、ちょっとしたウンチクや自分の失敗談など、場が和めば何でもOK。会議で良いアイデアを出し合うためには、リラックスした空気が欠かせないということを覚えておきたい。

(3)「ちょいタメ口」を混ぜる

 上司や先輩、取引先に対しては敬語を使うのが当たり前だ。とはいえ、ガチガチの敬語だけだと、相手との心理的な距離は縮まらない。それを縮めたいなら、失礼にならない程度に「タメ口」を混ぜるのがおすすめだ。相手に対していきなりタメ口で話しかけることは難しいだろうが、たとえば、ちょっとした独り言や感想のように、「あぁ、今日は本当に楽しいな…」「えっ、それすごく可愛い!」などと挟むのだ。「ちょいタメ口」を使うことで、相手に「私はあなたと仲良くなりたいです」というメッセージを伝えられるだろう。

 本書では、テレワークの場面に限らず幅広いシーンで使える雑談力向上のヒントが多数紹介されている。常日頃から雑談力を磨くことを心掛けて、相手に「また会いたい」と思ってもらえる自分を目指してみたい。

文=上原純

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