相手を不快にさせず自分の言いたいことをハッキリ言う方法! リモート勤務でも使える“好かれる人の伝え方”

ビジネス

公開日:2020/9/18

『ハッキリものを言って嫌われる人、好かれる人の伝え方』(野々村友紀子/クロスメディア・パブリッシング:発行、インプレス:発売)

「人に嫌われまいと、自分の意見も言えずにビクビク」
「会社に行けば同僚に気をつかい、家に帰れば家族の顔色をうかがう」
 
 こんな不安に心当たりはないだろうか? 周りに気をつかい、言いたいことも言えない、日々ガマンにガマンを繰り返す…そんな毎日やってられない! と思っているそこのアナタ。実は、ちょっとした工夫で、相手を不快にさせず伝えたいことを伝えるテクニックがあるのだ。
 
 そんなテクニックを惜しげもなく紹介するのが『ハッキリものを言って嫌われる人、好かれる人の伝え方』(野々村友紀子/クロスメディア・パブリッシング:発行、インプレス:発売)。会社の同僚への接し方や、相手に指摘する際のポイントなど、オン・オフ問わず日常的に使えるテクニックが詰まっている。その数ある技術の中でも、実践しやすそうなコツをいくつか紹介したい。

相手に注意するときのコツは? 間違いを自覚させるには…

 もし、部下が雑な仕事をしているのを発見してしまったとしたら、あなたはどう注意するだろう? 注意の仕方によっては、下手をすれば「パワハラ」と非難されてしまうこともあるので、デリケートな問題だ。

 そこで使えるのが、「驚き戦法」。怒るのではなく「雑っ!」とツッコミ風に伝える作戦だ。ポイントは、怒りの感情は見せないこと。ただ「なんでそんな雑にまとめちゃったの?」という驚きをツッコミ風に伝えてみるのだ。

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 すると、相手も「あ、やっぱ雑だったかぁ」「やべ、バレてる…」と、自分のしたことに気付くはず。これで相手が「次からは気を付けなきゃ」と思ってくれれば儲けもの。

 さらに、余計な波風を立てることなく、自分の意思を伝えられるのがうれしい。ぜひ1度試してみたい。

怒りを爆発させたら負け!? やさしく教えてあげる作戦が有効

 怒りの感情を出すのは、パワハラ観点でも注意が必要。とはいえ、怒りの感情を隠すことは、ストレスのもととなり健康に良くないという。

 そこで試したいのが「怒る」のではなく「教える」というテクニックだ。あえて「教える」という形で相手に自分の意見を伝えることで、自分はスッキリしようという作戦だ。相手に直接イライラをぶつけず、意見を伝えられるので一石二鳥というわけだ。

 例えば、人気ラーメン店の行列で割り込みされたとき、「おい、俺が先だろ? 横入りするなよ!」と攻撃的に伝えるのはスマートではない。ここは、あえて穏やかな表情のまま「あれ、みんな並んでますよ? 間違えちゃったんですよね? 仕方ないですね…」というニュアンスを込めて教えてあげよう。発言することで、自分の心も少しスッキリするはずだ。

「感情」をメールで送るにはどういう文章術が必要?

 リモート会議やメールでの報・連・相など、直接顔を合わせず、人と会話する機会が多くなった。相手と顔を合わせないと発症してしまうのが、「相手のお願いが断れない」病だ。

 顔を合わせていれば何かをお願いされても、「うーん、ちょっと…」と苦笑いを浮かべることでやんわり断ることができた。だが、メールやチャットではそうもいかない。気づけば、相手のお願いが断れず、細かな仕事が山積みになり、限界を超えてパンクしてしまう…なんてこともあるから侮れない。

 そんなときは「定型文からの脱出」が事態改善の一手となる。例えば、次の2例だとどちらが好印象だろう?

(1)「この度はお声がけいただき、誠にありがとうございます。ただ、残念ながら別の仕事が入っておりまして……」

(2)「本当にやりたかったです! もし、次回チャンスがあれば絶対に声かけてください!」

 (1)は定型文なので心に響くという人はあまりいないだろう。(2)は思わず本音がポロリと出てしまった、という印象を与えることができる。どちらが好印象を与えるか好みはあるだろうが、(2)の方がスムーズに断ることができそうだ。

 本書にはこの他にも相手を褒めるテクニックや、人に頼みごとをするときのコツなど、たくさんの伝え方の“裏技”が紹介されている。どれも日常生活で実践しやすいものばかりなので、使えそうなものをひとつずつ実践してみては?

文=冴島友貴