挨拶から先が続かない…日常会話にありがちな悩みを解決するのは「相手」視点

ビジネス

公開日:2020/10/7

雑談の一流、二流、三流
『雑談の一流、二流、三流』(桐生稔/明日香出版社)

 会話で相手の心をつかむのは、意外と難しい。それでもコミュニケーションの流れを意識できれば、仕事の場面でいえば先輩や上司や取引先、プライベートでは意中の人との人間関係をより円滑に進めることもできる。

 書籍『雑談の一流、二流、三流』(桐生稔/明日香出版社)は、タイトルのごとく雑談によるコミュニケーションの秘けつを教えてくれる1冊。日常のシチュエーションがかなり細かく想定されているのも本書の特徴だが、これさえ読めば、人間関係の悩みがきっと吹き飛ぶはずだ。

会話を続けるためには主語を「相手」に

 誰かと会ったはいいものの、会話の糸口がつかめずに沈黙したまま…。出鼻をくじかれるようなシチュエーションだが、ひと言目に何を切り出すべきか、意外と悩む人は少なくないはずだ。

 例えば、30度を超えるほどの蒸し暑い日。勇気を振り絞ってこちらから「今日は暑いですね」と声をかけたものの、相手からは「そうですね。暑いですね…」と空返事が返ってくるのみで、また沈黙して気まずくなるという光景も、わりと簡単に想像できるかもしれない。

 ただ、このような会話でも「暑いですね」と話したあとに「今日は30度を超えるそうですよ。夏バテとか平気ですか?」とか、「しかし◯◯さんって夏男って感じですよね?」と続ければ、会話を続けられる可能性もある。

 そして、ここで大切なのは会話の主語を常に「相手」へ向ける意識だ。こちらからしても気が付いたら「会話が続いている」と思える人は、自然と自分に「話しやすいテーマ」を振ってくれている場合も少なくない。それを自分が実践すれば、相手からも好印象を持ってもらえるというわけだ。

話を広げるには3つのポイントを考えて質問

 会話が始まってからも、コミュニケーションの悩みは尽きない。聞き上手になれとは昔からよくいわれることだが、相手の機嫌をうかがいながら、話をどう広げようかと苦労する人たちもいるはずだ。

 そこで重要なのが、相手への「質問」の仕方である。焦って「昨日は何をされていたのですか?」「お住まいはどちらですか?」と矢継ぎ早にひたすら相手を問い詰めるようなやり方はご法度で、切り口の違った質問を臨機応変に使い分けていく必要がある。

 では、どんな質問を使うべきなのか。ポイントは3つで、会話を「深める」ために「なぜ?」と問いかける質問と、会話を「広げる」ために「他には?」と投げかける質問。そして、会話を「進める」ために「それで」「それから」と先へ繋がるような質問を、場面を考えながら繰り返せばよい。

 意識として大切なのは「相手が話したくなるように質問をする」という姿勢。空返事で「へぇ…」と返すだけではなく、まずは「なぜ?」と問いかけるところから始めてみれば、今より何倍も聞き上手になれるだろう。

 さて、ここまで紹介してきたのはごく一部。本書では対面での出会いから別れぎわや、相手と議論するような場面、さらにはSNS上のやり取りまで、日常で想像しうるコミュニケーション上の悩みとその改善策が、広く網羅されている。困ったときに、似たような場面を探して読むだけでもよく、今日からでも人間関係の上で役立てられるはずだ。

文=カネコシュウヘイ