妻が家や子どもを欲しがるのは危険なサイン? 夫のLINEに妻がイライラする理由

恋愛・結婚

更新日:2020/10/21

夫のLINEはなぜ不愉快なのか
『夫のLINEはなぜ不愉快なのか』(山脇由貴子/文藝春秋)

「いきなり『今夜接待』とか、単語だけ送ってくる」「なにかと上から目線でムカつく」…。そんな風に夫からのLINEに不満を抱えている女性は少なくない。元はといえば夫のことを好きになって結婚したはず。それなのに、どうして妻は夫からの連絡を不愉快に感じてしまうのだろう。そして、夫から見れば、どうして妻がイラついているのか分からない。このすれ違いを改善する方法はないものなのだろうか。

『夫のLINEはなぜ不愉快なのか』(山脇由貴子/文藝春秋)は、年間200家族が駆け込む人気の家庭問題カウンセラー・山脇由貴子氏が夫婦関係のメンテ術を説いた一冊。どうして夫婦はすれ違ってしまうのか。それは、男性と女性ではコミュニケーションのスタイルが異なるせいだと山脇氏はいう。この本では、山脇氏が夫妻の間に溝が生まれる理由と、その解決策を解説。「夫が話を聞いてくれない」「妻は文句ばかり」などと夫婦関係に悩んでいる人は、男女問わず、この本に関係改善のヒントを求めてみるといいかもしれない。

妻も夫も、相手に「母親」を求めている? それでもすれ違ってしまうワケ

 この本を読むと、そもそも、女性も男性も、結婚相手には、母親のような存在を求めていることがわかる。だが、その求める役割は大きく異なるらしい。山脇氏によれば、妻は夫に母親との間のような濃密なコミュニケーションを求め、夫は妻に自分の生活を快適にすることを求めているのだそうだ。

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 幼い頃から女性は、母親へ学校で起きたことや友達関係での悩みなどを事細かに話し、励ましてもらってきた。女性にとっては、その母娘関係が人間関係のベース。だから、結婚してからも、夫に話を聞き、共感してくれることを求めているのだそうだ。

 一方で、男性は思春期以降、母親との会話が減り、「明日、学校で○○が必要」といった要件しか伝えなくなっていく。男性が母親に求めるのは、生活環境を整えてもらうことだけ。そして、結婚すると、今度はその役割を妻に求めるのだ。その快適さの中には、「結婚前の自分を大きく変えなくてすむ」ことも含まれている。お互い結婚生活の中で、自分と母親との関係を再現しようとしながらも、求めるもの、与えるものが異なるからすれ違ってしまうのだと山脇氏はいう。

妻が家や子どもを欲しがるのは危険なサイン

 山脇氏によれば、男性は、結婚しても独身時代の生活を変えたくないと思っている一方で、女性は幸せになるためなら、自分が置かれた状況を大きく変えることを厭わない人が多い。だから、結婚後、たとえ苦手だとしても家事に尽力する女性は多く、「自分は理想の家庭を作るために頑張っているのだから」と、夫にも努力を求めるのだとか。

 しかし、夫は結婚してもなかなか変わろうとしない。夫に期待できないとわかった時、妻はどんな行動に出るのか。山脇氏によれば、中には、「子どもがほしい」「家を建てたい」と言い出す人も少なくはないという。妻は、環境を変えることで、夫を変えるしかないと思っているのだ。だが、夫は、妻の言葉の裏に隠された本当の気持ちに気づかない。気づかないまま、妻は夫への不満を募らせていく。

「ありがとう」「ごめん」を増やせるように

 こんな夫と妻のすれ違いをどう解消すればいいだろうか。山脇氏は様々な方法を提案しているが、特に世の夫たちに実践してほしいと個人的に思ったのは、夫がLINEで「ありがとう」と「ごめん」を言うように心がけてみることだ。

 妻が夕飯のメニューを送ってきたら、無視するのではなく、「了解、ありがとう」。急な接待で遅くなる時は、要件だけ送るのではなく、「ごめん」と添える。「これぞ私が求めていたコミュニケーションの形!」と納得させられたのは私だけではないはずだ。

 また、妻から夫へLINEスタンプをプレゼントすることも有効だと山脇氏はいう。妻からプレゼントされたスタンプなら夫も「せっかくなら使うか」という気持ちになるし、実際に使えば、メッセージもソフトになる。

 ただし、夫には、相手に何かしてほしいことがある時や大事な要件は、必ず顔を合わせた時に直接伝えるよう注意。山脇氏によれば、「大事なこともLINEで言ってくる」ということに不満を抱える妻も少なくないそうだから、気を付けるようにしよう。

 山脇氏曰く、妻の怒りは、関係修復のチャンス。この本を読むと、夫は妻のことを、妻は夫のことをやっと理解できたように思うだろう。家庭円満のコツが満載のこの本をもとに夫婦のコミュニケーションを見直してみてはいかがだろうか。

文=アサトーミナミ