余韻がすごい…韓国BLドラマ『Mr.ハート』で描かれる“最悪の出会い”とは?

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公開日:2020/10/30

Mr.ハート

 世界中を感動させ続けているドラマ大国・韓国が、これまで未開拓だったBLドラマ作品『君の視線が止まる先に』を制作(https://ddnavi.com/review/680181/a/)。そのドラマを手掛けた制作会社W-STORYが、間髪入れずにBLドラマ第2弾『Mr.ハート』を制作し、Rakuten.TVで配信を開始しています。

 本作はマラソン界の有望株“ジン・ウォン”と、大学の1年後輩でペースメーカーの“サンハ”による、愛と友情の青春物語……なのですが、ただの学園モノではありません! 登場人物ひとりひとりに様々な事情を盛り込む、韓国ならではの人物設定にもかかわらず、90分未満という観やすさで感動作に仕上げる手腕はさすがのひと言。その余韻を本編の90分どころか、何日経っても味わい続けることができる名作となっています。

 裕福で厳格な父のもとで育ってきたジン・ウォンは、マラソン界の有望株。父の手が及ばない、身体ひとつで勝負できるスポーツを選び、自分の存在意義を求める姿は、どこかクールで、とてもストイック。高校のマラソン大会では新記録保持者として活躍していましたが、大学に入り、突然のスランプに…。

 そこでコーチは彼を助けるべく、決まった時間で、決まった距離を走ることに優れた能力を発揮するサンハを、ジン・ウォンのペースメーカーとして起用。しかし、サンハの生意気な態度にジン・ウォンは激怒。絶対に起用しないと言い張り、最悪の出会いに…。

Mr.ハート

 恋愛ドラマの鉄則である、最悪の出会いをきっちりと守りスタートした本作、出だしは100点です! しかしこのトイプードルみたいな小さくてかわいくてたまらない、ちょっぴり菅田将暉風味(個人的見解)を感じさせるサンハは、こんなことでめげません。なんでかって? それは、ジン・ウォンのことが高校生の頃から好きだったから!!!! あなたのことが、好きだから!!!

Mr.ハート

 同じ高校の先輩だったジン・ウォンに想いを寄せていたサンハは、ジン・ウォンがマラソンで少しでも活躍できるように、直接気持ちを伝えるわけでも、名乗るわけでもなく、マラソンにいいと言われている牛乳を毎日彼のロッカーに届けていたのです。その姿はとても健気…。それをファンからのプレゼントだと勘違いし、飲み続けていたジン・ウォンは、それが誰からのプレゼントなのかわからないまま大学へ…。サンハは後を追うように、同じ大学へと進学するのです。

 しかしここで、サンハはなぜ、同じ時間で、同じ距離を走れる特殊能力があるのか、不思議になりませんか? 物語が進むにつれて、それは彼の潜在能力ではなく、努力の賜物であることが明かされていきます。

 実はサンハは、借金を残したまま死んでしまった親の代わりに、借金を払い、そして学費を稼ぎ、生活費までも自分で稼ぐ苦学生なのです。毎朝、同じ時間に走りながら牛乳配達をしていくうちに、時間の感覚が身体に沁み込んでいったのです。

 しかも親は悪いところに借金をしていたため、ヤクザの借金取りからサンハがボッコボコにされることも。しかしサンハは一つも文句を言わず、しっかりと借金を返し続けているのですが、その額が大きいために、なかなか減ることがなく、ついには金貸しになれと脅されるように…。

 またまた恋愛ドラマの鉄則である貧富の差がしっかりと描かれ、サンハの事情が明かされたあとは、あんなにキュートで愛らしく、他人の前では一切困った素振りを見せないサンハを全力で守りたいと思うに違いありません…! サンハが苦しむたびに、「もう私が借金返すから!」と何度叫んだことか!

Mr.ハート

 そんな事情を抱えながらも、サンハはまっすぐにジン・ウォンへと想いをぶつけていきます。眩しいほどまっすぐに、屈託のない笑顔で…。その表情にジン・ウォンは徐々に心を許し、自分の中に芽生えた“特別な想い”に気づいていくのです。

Mr.ハート

 人を好きになるという気持ちに気づき、戸惑うジン・ウォン。さらに、自分の気持ちを表現するやり方がわからないからこそ、間違った表現でサンハを傷つけてしまったり、自分の気持ちをストレートに投げかけながらも、迷惑をかけたくないと思う気持ちから引いてしまったりとそのすれ違いはやるせなく、切なく…。果たして2人の恋は上手くいくのか…。

 キュンキュンするシーンもふんだんに入れ込むラブコメの要素もありながら、思わず号泣してしまうような、深い心情を描くシーンまで盛り込んだ、極上のラブストーリーをぜひ堪能してください!

 マラソン界の有望株でありながら、不愛想で恋愛下手すぎるジン・ウォンを演じたのは、チョン・スンホ。2018年に俳優アイドルグループ「THE MAN BLK」のメンバーとしてデビュー。とてもクールですが、特典映像では無邪気でいたずら好きな一面も。実は『君の視線が止まる先に』でピルヒョンの友人、ヤン・ギルホとしても出演を果たしていました。

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チョン・スンホ

 亡き親の借金を返しながら自分の学費や生活費まで稼ぐ苦学生ながら、そんな一面を出さずにまっすぐにジン・ウォンへの想いを募らせるサンハを演じたのはイ・セジン。音楽番組『PRODUCE X 101』にも出演し、俳優としては2011年に映画『水の温度』でデビュー後、『恋するアプリ』『お兄さんが代わりに恋愛してあげるよ』など様々な映画に出演。その実力は多くの人から認められています。

イ・セジン

 さらに注目なのが、あのジェジュンが本作の挿入歌「呼びかけても(原題)」を手掛け、話題となっています。ぜひ楽曲も一緒にお楽しみください。

 続々と制作されている韓国BL作品。早くも次の作品が楽しみで仕方ありません!

文=吉田可奈