血は繋がらなくても愛し合える家族はある!

2012/7/17

狂乱家族日記 壱さつめ

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / エンターブレイン
ジャンル:ライトノベル 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:日日日 価格:450円

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架空の国家を舞台に、ある家族の物語を描く。…と言っても、アットホームな作品ではない。
主人公は対策局対策1課行動部隊長である乱咲凰火。凰火に命じられた任務は、自分とは血のつながらないある者たちと家族になること。その者たちというのは破壊の化身である「閻禍」の子供の可能性がある者たち。閻禍は、絶命する際に「1000年後に自分の子どもが世界に絶望をもたらす」という不吉な言葉を残していったのだ。

しかし、子供が誰か確定することはできない。そこで考えられたのが、「なごやか家族作戦」。閻禍の子供を確定するほか、もしかしたら、なごやかな家庭の中で生活すれば、閻禍の子供も世界を滅ぼそうなんて考えなくなるかも? という案のもとに決行された。しかし、この閻禍の子供の候補たちがクセ者ぞろい。はたして、凰火は無事に任務を達成することができるのか?

この子供の候補というのが、猫耳と猫のしっぽを持った見た目は小学生・自称20歳の母親役をやる凶華を始め、話すライオンにオカマに生物兵器にクラゲ、唯一まともなのが長女となる小学生の優歌ぐらい、となかなかぶっとんだ家族構成である。この作品自体は「狂乱家族日記」の1巻であり、物語全体の序章だ。家族紹介、過去のチラ見せ、そして、優歌のトラウマを解決する…というのが主な内容なのだが…。

設定自体は、結構重いし、暗い。しかし、猫耳ママ・凶華のぶっとびぶりのおかげで、コメディになってしまっている力技! ライオンもオカマも生物兵器もいるけど、1番常識のない母親が家族も作品もかき乱す。でも、この母親がまるっと解決してしまうからすごい。母強し。家族の形はさまざまだ。パッと見たイメージでは、乱咲一家はいびつだ。しかし、家族として美しい形を保っていなければならないのか? そんなことはない。1番大切なのは、家族がみな幸せであるかどうかだ。これは当たり前のようでいて、とても難しい問題だったりする。家族とは何か、ということを考え直すことができる。

しかし、この作品の大きなテーマは閻禍の子供が誰であるか、そして、閻禍の子供は本当に世界を絶望に陥れるのか? というところである。閻禍らしき者は1巻でも姿を現しているような…? 少しずつ家族という形を作り始めた乱咲一家が今後、どのように変わっていくのか、そして閻禍の子供が誰なのかはっきりしたとき、凰火は、そしてそれ以外の者たちはどうするのか…。家族の在り方のヒントがここにも隠れているかもしれない。


目次だけでもなかなか強烈

ある朝、出勤して結婚を命じられたとしたら…?

乱咲家勢揃い(+1)の図