自分で考える力が身につく! 東大クイズ王・伊沢拓司が率いるQuizKnockが手がける“東大ノート”のつくり方

文芸・カルチャー

公開日:2021/5/3

東大発の知識集団QuizKnock監修 東大ノートのつくり方
『東大発の知識集団QuizKnock監修 東大ノートのつくり方』(QuizKnock/学研プラス)

 子どもが書いたノートを見て、こんなことで頭を抱えた経験はないだろうか。

「授業と演習のノートが一緒。これだと復習が大変そう。ノートを分ければいいのに……」
「雑誌みたいにカラフルな色使い。キレイだけど、ポイントがわかりづらい」
「色分けがなく、黒一色。見直したとき、ポイントってわかるのかな」

「これで成績が上がるのか?」と不安になるだろう。とはいえ、授業はしっかりしていても、ノートのとり方を丁寧に教えてくれる先生は少ないはずだ。どうすれば、成績が上がるノートのとり方が身につくだろうか。

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『東大発の知識集団QuizKnock監修 東大ノートのつくり方』(QuizKnock/学研プラス)は、「東大クイズ王」の名で知られ、テレビやYouTubeで受験生から大人気の伊沢拓司氏を中心に書かれた1冊。本書では伊沢氏をはじめ、大学受験の最高峰「東大」に合格したQuizKnockメンバーのノートのルールやテクニックを紹介している。

 そこで本稿では、「考える力」が身につくノートについての考え方とノート術などを紹介したい。

板書を写すことと成績は関係ない!?

「板書を写さないと成績が上がらない」と思っている人もいるだろう。だが、伊沢氏によれば、板書をぜんぶ書き写す必要はないという。成績が上がるのは、復習・演習することで、授業の内容が本当に身についたときだけ。板書は写すことが重要ではないのだとか。

 それでは、何をノートにとればいいのか。そう不安に思うのは当然だ。ズバリ、それは先生の話。「ここが重要だよ!」といったポイントや先生が熱く語った部分、面白かったこぼれ話などをメモしていこう。そうすれば、授業の参加証明書の板書ではなく、大事なポイントが詰まった自分だけのノートが完成する。

伊沢流ノート術! 「話の流れ」で色を変えよ!

 歴史の授業でノートをとる。とりあえず重要なポイントに色を塗って強調させていないだろうか。しかし伊沢氏はノートを見返した際、先生の話の流れが思い出せるよう、話の展開に合わせて色分けしているという。

 教科書どおりに説明する先生なら板書を中心にまとめればよいが、歴史を多角的にとらえ、講義スタイルで授業を進める場合に有効だ。たとえば黒→オレンジ→赤→青の順に、話が切り替わったら、色を変える。そして、最後の青まで行ったら、黒に戻るのだ。こうすれば、読み返したときに流れが瞬時にわかるそう。

 歴史は、出来事の流れを理解することが基本中の基本。ただ言葉を覚えようとしても、記憶に定着しない。歴史が苦手な人は、流れを掴むことに特化したこのノート術を試してみてほしい。

ノートづくりに必要なのは、試行錯誤と創意工夫

 誰もが100%成績が上がるノートづくりは可能か? この問いに伊沢氏は「否」と答える。正解はひとつではない。「自分に合ったノートのとり方」を探すことが成績を上げる近道と語る。とはいえ、すぐさま「自分に合う方法」が見つかれば苦労しない。だからこそ、まずは先人たちのノートテクニックをマネしてみる。そのうえで「自分に合った書き方」、「効率の上げ方」を考えてみよう。こうして、試行錯誤と創意工夫を重ねることで、勉強だけでなく、社会に出てからも役立つ「自分で考える力」が身につくだろう。

 本書には東大生が実際に書いたノートと、その解説が、これでもかというほど盛り込まれている。「何から手をつけていいかわからない」、「自分でうまく工夫ができるか不安」ならば、ひとつでもいい。本書の東大生のノートをマネしてほしい。

 受験当日、不安に駆られるかもしれない。だが、そんなとき、励ましてくれるのは「自分がどれだけ頑張ってきたか」という軌跡だけだ。その軌跡が目に見える形となって残るのが、自分だけのノート。本書は、東大生たちの“努力の軌跡”を集めた1冊だ。先輩の汗と涙の結晶は、きっと受験生たちに力を与えてくれるだろう。

文=冴島友貴