「感情マネジメント」で仕事のつまずきを解消! チームを伸ばすEQとは?

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公開日:2021/5/31

感情マネジメント 自分とチームの「気持ち」を知り最高の成果を生みだす
『感情マネジメント 自分とチームの「気持ち」を知り最高の成果を生みだす』(池照佳代/ダイヤモンド社)

 人間関係を築くのが得意かと聞かれて、YESと答えられる人はそう多くないだろう。人間はひとりぼっちでは生きていけないわりに、人間関係について常に悩んでいる。特に職場では仕事に直結し、場合によっては損失や昇進につながってしまう。

『感情マネジメント 自分とチームの「気持ち」を知り最高の成果を生みだす』(池照佳代/ダイヤモンド社)は、自分とチームの感情を知ることから最高の成果を目指す、「感情マネジメント」の方法を教えてくれる。

 ベースになっているのはEQ(感情知性)と呼ばれる、自分や他者の感情を理解したり、適切に表現したりするスキルである。IQになぞらえ、「心の知能指数」とも呼ばれている。

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感情は2185もある! あなたは今、どんな気持ち?

 人間の基本感情は怒り、嫌悪、恐怖、喜び、悲しみ、驚きという6種類程度と考えられていた。しかし2017年、基本感情だけで27種類という論文が発表された。基本感情を組み合わせた結果、感情の数はなんと2185になるそうだ。チームに5人いたとして、全く同じ感情である可能性は極めて低い。

 それなら、うまくいかなくて当たり前、と思ってしまうが、わかろうとする努力こそ大切である。「人は経営資源」とは昔からよくいわれているが、著者は「感情は経営資源である」と言う。行動は感情から生まれる。チームが雰囲気良く、前向きに取り組んだ場合と、リーダーが適切に導いてくれないと不満あふれるチームで仕事した場合で、どのような違いが出るかは容易に想像がつくだろう。

 意外にも、感情マネジメントの第一歩は自分の感情と向き合い、マネジメントすることである。誰かを助けたい、チームを助けたい、と思う心は素晴らしい。しかし、

「自分の感情」もわからないのに、「他人の感情」に共感することはできません。

 ということを前提として覚えておきたい。人間にはみな感情があるのに、我々は自分の感情をつい置いてけぼりにしてしまう。

自分の「感情マネジメント」をしてから他の人の感情に向き合う

 何かが起きたとき、まず「自分は今どんな感情か?」を考える。その上で、感情をむき出しにするのではなく、物事にどう対処するかを考えるのが自分の感情マネジメントだ。例えば、パワハラめいた嫌な思いをしたとする。グッと押し殺して我慢するのではなく、素直に自分が嫌な思いをしたと受け止める。それから「切り替える」「あとで上司に報告する」などの行動を取るように心がけるのだ。

 大人は感情を抑えることが習慣化しているのでなかなか難しい。しかし本書にはさまざまな方法が書いてあるので、ぜひ試してみてほしい。私は「To Beリスト」というアクションが気に入った。「To Do」だけではなく、その時自分がどんな感情でありたいか「感情の予約」を行うというものだ。

 自分と向き合い、感情をマネジメントして、はじめてメンバーやチームの感情に向き合える。つい気が急くが、ここをしっかりやるのがポイントだ。

家庭にも応用できる! 人生をよりよくするための道筋に

 本において、EQはビジネスの場で有効な方法として説明されている。感情は人間関係と密接につながっているので、恋人、家族関係にももちろん役立つ。自分自身と向き合うことと人付き合いは一生ついてまわるが、EQはなんと、鍛えれば伸ばせるそうだ。人生を助けてくれる「感情マネジメント」、あなたも試してみてはいかがだろうか。

文=宇野なおみ