男がいる時のほうが、いない時より、不幸になる確率が高い/たるんだ心に一喝!! 一条ゆかりの金言集④

文芸・カルチャー

公開日:2022/7/23

『有閑倶楽部』『デザイナー』『砂の城』『プライド』など、数々の名作を生み出してきた、少女漫画界のレジェンド、一条ゆかりさん。人によく相談事をされるという一条さんが、いくつになっても迷える女性たち、ひいては人類に授ける金言集『不倫、それは峠の茶屋に似ている たるんだ心に一喝!! 一条ゆかりの金言集』(集英社)が誕生! “刺さりまくる”と巷で話題沸騰中の金言の中から、本連載では厳選した6つの言葉をひとつずつご紹介します!

男がいる時のほうが、いない時より、不幸になる確率が高い

 この話をすると、「えっ、どうしてですか!?」とよくびっくりされるけれど、「結婚したい!」「彼が欲しい!」と思っている人は、夫や彼がいる幸せしか考えてなくて、夫や彼がいる不幸なんて考えないのよね(笑)。

 たとえばひとり暮らしで夫も彼もいない女の人は、人から見たら寂しい人生に見えるかもしれないけれど、自分の生活のすべてを自分で決められます。自分の食いぶちは、自分で稼がないといけないけれど、他人に振り回されるストレスはないので、そこそこ安定した幸せが得られます。つまり独り身は、ローリスク、ローリターン。

 一方で、男でしか得られない爆発的な幸福感というものもあって、夫や彼がいる人は、そのかけがえのない幸福感を得られる半面、男がもたらす不幸も、一緒に引き受けないといけなくなります(笑)。つまりハイリスク、ハイリターン。株みたいなもんかしら。一緒にいるだけでイライラしたり、落ち込んだり、嫉妬したり、ムカついたり。たくさん波乱万丈を引き受けないといけない。ここ数年、リモートワークで長く一緒に過ごすからか、離婚が増えてるらしいけど、そりゃそうよね。「亭主元気で留守がいい」という言葉があるように、たまに会うから何とかやっていけるのよね(笑)。でも、ずっとダンナが家にいたら、うっとうしいし、ボロばかり目についちゃう。普段は偉そうな口をきいているくせに、家では全然役に立たなかったりして。

 そしてきっと相手もそう思ってるはず。俺だって好きで家にいるわけじゃないのに、ずっと不機嫌な顔しやがって…と。そうやって妻は夫に、夫は妻にイライラの原因をなすりつけることで、自分の責任から逃れようとしてるんですね。

 だから結婚したら楽になる、幸せになると思ったら大間違い。結婚すると、じつは楽なことが少なくて、不愉快なことの方が多かったりします。そのあたりの現実が見えてないと、不満と愚痴ばかりの人生になります。幸せ50%、不愉快50%くらいだったら「まあいいか」と思えるように図太くなれば、人生が楽になりますよ。

<第5回に続く>

あわせて読みたい