ごはんやパンなどの炭水化物は食べないほうがいい?/誰でも健康になれるノブナガ式食べ方大全

健康・美容

公開日:2023/1/4

A 体にいい炭水化物を選んで食べよう

 最初におさらいしましょう。糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたもので、「糖質を含む食品はできるだけ食べない」というのが糖質制限ダイエットの考え方です。現代社会の中で、手軽に食べられるものの多くは糖質のかたまり。それがさまざまな病気の原因になっているのは事実です。厚生労働省の調べでは、糖尿病が強く疑われる人は約1000万人ともいわれています。ボクも、精白された穀物や精製された糖質などは食べないほうがいいと思います。けれどそれは「炭水化物を食べないほうがいい」という意味ではありません。

 2022年6月に、ドイツから「糖質制限ダイエット(低炭水化物ダイエット)は栄養不足に陥りやすい」という研究発表がありました。これは糖質制限ダイエットをしているアメリカ人307人を対象にしたもので、炭水化物を制限したことで、「飽和脂肪酸(動物性の脂質)、脂質の量、ナトリウム(塩分)が過剰になる」「食物繊維、マグネシウム、カリウム、ビタミンA・E・Dが不足する」「男性はビタミンCが、女性は葉酸が不足する」といった栄養上の問題点が浮上しました。これは糖質を制限しようとして、「複合炭水化物」と呼ばれる全粒穀物やフルーツ、根菜などの野菜まで避けてしまったせいではないかと思われます。

炭水化物には毒もあれば薬もある。正しい知識をもとう

「栄養不足になってもいいから、とにかくやせたい!」という人にとって、糖質制限は救いかもしれません。しかし残念なことにリバウンド率が非常に高いという現実も無視できません。それは「根性がない」「甘いものの誘惑に勝てない」ということではなく、糖質を控え続けたことによって、糖質を代謝する能力が落ちてしまうからです。

 あまりに糖質が体に入らない状態が続くと、「もう働かなくていいかな?」と体が糖の代謝をサボるようになります。そのため少量の糖質を食べただけでも血糖値が上がりやすくなったり、血糖値がなかなか下がらなくなったりするのです。実際、糖質制限ダイエットをしている人から「糖質制限をしていったんやせたんだけど、久しぶりにおにぎりを食べたら体調が悪くなった」とか、「少しだけ炭水化物を食べるようにしたら体重が急激にふえた」という声をよく聞きます。

 もちろん、糖質をずっと除去し続けることができれば、糖代謝が低下しても問題はないかもしれません。しかしずっと炭水化物をとらないでいると、また別の問題が発生します。便秘や腸内環境の悪化、甲状腺機能の低下、女性であれば生理が止まる、生理不順が見られるという研究データもあります。

 結論を言えば、減らすべきなのは炭水化物ではありません。精白された穀物や精製された糖質だということです。具体的には、白いごはんやふわふわのパン、うどんやパスタは減らしていいのです。ケーキやスナック菓子や甘いドリンクも避けてください。

 でも、フルーツやいも類、根菜類、そして全粒穀物(玄米、分づき米、もち麦、雑穀、オートミール、ライ麦、全粒粉)などの糖質はきちんととりましょう。特に全粒穀物には、がん、糖尿病、アレルギーなどの原因になる体内の慢性炎症を抑える抗炎症作用が認められています。2022年のFood & Functionという科学誌に発表された新しい研究では、全粒穀物による認知症と心臓病の予防効果も認められました。炭水化物には毒と薬があるという事実を、現代人はしっかり認識しておく必要があると思います。

<第2回に続く>

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