「婚前の女子が遅くまで出歩くなんて！」立花家での糸子の信用は地に落ちたが、駿の信用は青天井／浮き雲に恋ふ⑦

『浮き雲に恋ふ』（おにく/オーバーラップ）第7回【全8回】

時は明治、時代の色がめまぐるしく変わる頃。15歳の立花糸子（たちばないとこ）は、お淑やかさとは程遠いがゆえに二度も縁談を断られている。三度目のお見合い相手である大鳥駿（おおとりしゅん）は、人格者で縁談の話は数知れず…だが巷では男色と噂される人物だった。一見無愛想に見える駿は、これまでの男性とは違い、“糸子自身”を見てくれる。そんな彼に徐々に心惹かれ、この人となら…と意識し始める糸子だったが、駿にはまだ糸子に話していない秘密があるようで…。天真爛漫な少女と謎めいた美青年が紡ぐドラマチック明治浪漫譚『浮き雲に恋ふ』から厳選してお届けします。