満員電車の中で女子高生に痴漢する男を発見！ 僕は卑劣な犯人を捕まえようとするが…【痴漢】／意味がわかると鳥肌が立つ話 続⑦
文芸・カルチャー 公開日：2023/9/7
『意味がわかると鳥肌が立つ話 続』（蔵間サキ：編著、大志：絵/Gakken）第7回【全11回】
大ヒットしたショートストーリー集、「5分後の隣のシリーズ」『意味がわかると鳥肌が立つ話』の続編！ 恐怖感がさらにパワーアップ！何気ない物語を読み進めると、“鳥肌”の立つような意外な展開が待っていた…。恐怖だけではなく、感動、笑いなど、どっぷりはまってしまう「鳥肌」ショートストーリーをお楽しみください。
痴漢
満員電車でのことだ。自分の前には、制服姿の女子高校生と、サラリーマン風のスーツ姿の男がいた。僕は、男が何やら怪しい動きをしているのに気づいた。
よく見ると、男がいやらしい手つきで女子高校生の身体を触っている。女子高校生は、声も出せず、肩を震わせていた。大人しそうな子だ。きっと抵抗することもできず、おびえているのだろう。
この男の卑劣さに、怒りがこみ上げてきた。許せない。どうにかして、こいつを捕まえて、罰を与えてやらなければ。
男の手をつかみ、ひねり上げて、警察につき出してやろう。でも、その前に、被害にあった女子高校生に対して謝罪させよう。この卑劣な男は、きちんと罪を認めるだろうか……。
それは心配ない。今カメラが収めている映像を、証拠として警察に突きつければいいだけの話だ。僕は、正義のヒーローとして女子高生を助けるべく、男の手をつかんだ。
