「指示待ち人間」が生まれる原因は? 部下の自主性に任せる前に上司がやるべきこと/部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです

ビジネス

公開日:2023/11/21

 新卒の約30%が3年以内に離職する時代。厳しくしたらいいか、優しくしたらいいか…。最近の若手社員のことがよくわからず、接し方に悩んでいる方は少なからずいるはず。

 日頃から「どうすれば若手社員に火がつくか」と考えている、最近の若手は「自分から動こうとしない」と思っている、若手と仲良くなるために「趣味の話」から入っているーーそんな上司の方はいませんか? 実は、これらはNGです。

 若手社員育成専門コンサルタントである著者の伊藤誠一郎さんが、最近の若手部下の「傾向」と「対策」を教えます。いかにやる気を出して仕事に取り組ませるか、声のかけ方・動かし方・伸ばし方を解説! この本で若手を変えるのではなく、上司である自分を変えていきましょう!

※本作品は『部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです 若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す』(伊藤誠一郎/日本実業出版社)から一部抜粋・編集しました

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部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです 若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す
『部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです 若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す』(伊藤誠一郎/日本実業出版社)

「正解」は探させるのではなく最初から提示する

もったいぶらずに正解を共有したほうが近道なことも多い

 指導の結果、少しずつ仕事を覚えてきた若手社員について、次のような質問を受けることがあります。

 若手社員に丁寧に教えてきた結果、仕事がだいぶできるようになってきました。ただ、このまま教え続けてしまうと、言われたことしかやらないようになってしまうのではないかという不安もあって、どうすべきか悩んでいます。一生懸命にやる良い子たちなのですが、どこまでを教えてどこから自主性に任せたらいいでしょうか。

 とくに、一生懸命で真面目な若手の部下を持つ上司や先輩ほど、あまり教えすぎないほうが彼らのやる気を引き出すことにつながるのではないかと考えるようです。

 まず、若手社員に教えるべき仕事を「正解があること」と「正解がないこと」の2つに分類してみてください。すると、ほとんどすべての項目について正解が存在するのではないでしょうか。その場合は、そのまま正解を教えてください。

 正解があるのですから、最初から正解を提示しても、指示待ち人間を生み出すことにはならないので大丈夫です。

 仕事は、過去のパターンから定型化されたものも多く、言語化によって説明可能なものばかりです。とくに、1年目、2年目の若手社員への仕事の指導は、そのパターンを習得させることが中心であり、正解がない仕事はほとんどないはずです。

 むしろ上司や先輩の頭の中に正解があるにもかかわらず、それを明らかにしないのは遠回りであり、時間と労力の無駄になることを認識してください。

 指示待ち人間が生まれやすいのは、1つひとつの仕事をバラバラに教えてしまうことに原因があります。そのため、仕事の一連のプロセスを関連づけて教えていくことで、その後はいちいち指示を出さなくても若手社員は自ら動けるようになります。

 昨今は時代の流れが速くなる一方です。それに伴って、若手社員による成長への要求のスピードも速くなっていますから、スピーディーに正解を提示することは彼らの期待にも合致します。

 むしろ、正解を示さずに若手に探させようとしていると、成長が実感できない職場として彼らに見かぎられてしまう可能性すらあるので注意してください。

「わかる」と「できる」は別のステップだと認識しておくこと

 上司や先輩は、自分の正解の提示の仕方が適切かどうか、若手社員にとって本当にわかりやすいものであるかについて常に検証する目を持ってください。

 自分の教えたことは必ず理解できるはずだという前提に立ったまま、自らの伝え方に対していっさい疑いを持たない上司や先輩は少なくありません。そのため、教えたことが伝わらないのは、若手の理解力不足のせいにしてしまいがちです。

 プレゼンテーションやコミュニケーションの基本として「伝える」と「伝わる」は別という考え方がありますが、指導についても同様です。さらに言えば、「わかる」と「できる」もステップが異なるのです。

 上司や先輩は自分としては丁寧に正解を提示したつもりでも、若手社員の仕事の結果が想定通りになっていないことが多ければ、自分の教え方を考え直してみる必要があります。

 また、上司や先輩は仕事の優先順位づけを日常的に脳内でしているかもしれませんが、若手にはその判断の仕方から教える必要があります。若手は業務の理解が不十分であるために、要点はどこで優先順位が高いものは何なのかをつかみきれていないことも多くあるからです。「わかる」から「できる」へとしっかりつながっていけるように、ぜひ二人三脚で取り組んでみてください。

最初から「正解」を提示し続けても指示待ち人間を生み出すことにはならない

<第6回に続く>

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