一度きりの人生、前を向いて歩いていくことの大切さを教えてくれる言葉たち『アンサー』/斉藤朱夏のしゅか漫画【最終回】

マンガ

公開日:2024/1/20

斉藤朱夏_1

この漫画を読むとなんだか心が開いて、どこか浄化されるような、前を向いて走ろうと思える。
そんな気持ちがどうして生まれるのか、不思議な感覚を味わえる作品だ。

今回ご紹介するのはMaria先生の『アンサー』(集英社)。
劣等感の強い漫画家・真波は、ヒモ彼氏や感性が合わない家族などに悩まされていた。
そんな悩みから救ってくれるのは、陶芸家で“気”が視える力を持つおじいちゃんだけ。

おじいちゃんが視える力を持っているからこそ
言葉の力強さをすごく感じた。
この漫画は言葉の強さがあるから、前を向いて走ろうとか
自信がない自分でもなんだか大丈夫かもしれないとか思えたのかなと感じた。

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素敵だなと思った言葉をふたつ紹介させてください。
真波が描いた漫画の中でのモノローグ

「人はいつだって前を向ける 今すぐにでも幸せになれる
全部全部自分できめていい 人ってこんなにも自由なんだ」

このモノローグを見たとき、今悩んでいることに対して
心を軽くしてくれるような気持ちになった。
そっか、いつでも前を向けるんだ、自分で決めていいんだ。
もっと自由になればいいんだって。
少し私の肩の力が抜けた。

もうひとつは

「誰にも譲らない自分の人生を」

この言葉を見て、やっぱりそうだよなと確信を持てた。
我が道を歩きたいと思っていてもなかなかそうはいかない時もある。
芯を曲げないでまっすぐ走ると思っていても
途中途中で試練が待っている。
だけど、人生は一度きりだからこそ、突き進んでいくことが大切。
「ここは絶対に譲りたくない」と思う精神。
それは必要なことなのだとも思った。

今回はふたつの言葉に注目したけれど、
もちろんドキドキもキュンキュンもある。少女漫画よりも大人な恋愛模様。
冒頭でも書いたように、ヒモ彼氏との関係など、登場人物達との関わり方はぜひ注目してください。
そして、ドキドキを味わいたい、自分に自信が持てない、というあなたにおすすめしたい一冊です。
あ! わたしはこの漫画だとおじいちゃん推しです(笑)。

そして、今回で「しゅか漫画」は最終回となります。
自分の言葉でたくさんの漫画作品のお話をしてきましたが
改めて自分は漫画が大好きだし心の拠り所だなと思いました。
また、今回このような機会をいただけたからこそ色々なジャンルの新しい漫画とも出会えました。

またどこかで漫画についてお話しできることを楽しみに、
これからも私の心の拠り所として漫画を愛していきたいです。

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斉藤朱夏(さいとう・しゅか) 埼玉県出身。声優、アーティスト。2015年『ラブライブ! サンシャイン!!』の「渡辺 曜」役で本格声優デビュー。同作品のスクールアイドルグループAqoursとしても活動。2018年11月に開催されたAqoursの東京ドーム公演(2days)では、国内外ライブビューイング含め、15万人の動員を記録。「第69回 NHK紅白歌合戦」への出場も果たす。2019年にミニアルバム『くつひも』でアーティストデビュー。2020年にミニアルバム『SUNFLOWER』、2021年8月に1stアルバム『パッチワーク』をリリース。