スカイツリーと東京タワーが見える「月島の夜景」を楽しむ散歩/ジャングルポケットおたけの連載「おたけ、もんじゃ、ときどき芸人」

文芸・カルチャー

更新日:2024/5/16

おたけ、もんじゃ、ときどき芸人

皆さんこんにちは。ジャングルポケットのおたけです。お笑い芸人のイメージが強いかもしれませんが、地元・月島で「竹の子」というもんじゃ焼き屋も経営しています。

前回紹介した「月島スペインクラブ」を訪問した後、夜の月島を散策したので、今回はその様子をお届けします。

佃大橋の下のアングラなスポット

月島スペインクラブを出て左、隅田川方面へ突き当たりまで進みます。左手の階段をのぼると隅田川テラス(隅田川の両岸に整備された遊歩道)に出ることができますが、おすすめは”曲がれ右”。佃大橋の下を潜っていきます。

左手に臨港消防団地域活動センターがあるんですが、ちょうどこのあたりから中央区佃1丁目になります。久しぶりに通りましたが、ちょっと暗い、アングラな雰囲気は昔から変わってないです。

道沿いには有名な佃煮屋さんが3店舗並んでいます。「佃源 田中屋」、「佃煮 天安本店」「つくだに丸久」。どれも江戸時代創業の老舗です。

すぐ近くに僕が通ってた中央区立佃中学校があるので、この辺りは本当に思い出の場所ですね。ちなみに中学校の後輩に某大物タレントさんがいるので、この連載で対談ができたらいいなぁと密かに狙ってます。ダ・ヴィンチさん、交渉お願いします(笑)。

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▲大物ゲストが来るか…?!

勝鬨橋に向かって隅田川テラスを散策

佃大橋の方に上がると勝鬨橋が見えるんですが、ここから見る勝鬨橋の景色がすごく好きで。ちょっと目を細めたらシンガポールじゃないですか。誰がどう見てもシンガポールですよ?

勝鬨橋といえば、有名な『こちら葛飾区亀有公園前派出所』でのエピソード(※)があるんですが、知ってますか?

勝鬨橋って、船を通すために橋の中央が開閉する可動橋で、開閉する様子は隅田川の名物だったんですよ。けれど時代が海運から陸運に移る中で、橋は閉じられたままになってたんですね。

こち亀のエピソードの舞台はちょうどその頃、昭和40年代。両さん(両津勘吉)が中学生の時の話です。転校する友人・白鳥純くんの最後の願いが「勝鬨橋が開いたところを一度でいいから見てみたい」だと知った両さんたち悪ガキトリオは、閉鎖された橋をもう一度開こうとするんです。警察の追手を潜り抜け、最後には勝鬨橋を開けます。町中は混乱するし、両さんたちはめちゃくちゃ叱られるんですが、白鳥くんはその時の感激が忘れられず、橋の専門家になる…という話です。

なんだかすごくじーんときて、僕、すごい好きなんですよね。

(※第71巻 収録の「勝鬨橋ひらけ!の巻」)

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▲こち亀の勝鬨橋のエピソードを読んでから散策するのもおすすめ。

隅田川テラスを勝鬨橋に向かって歩いてくと、右側にでかいタワマンがいくつか見えるんですけど、その中の「聖路加ガーデン」は昔からありましたね。

聖路加ガーデンはオフィスとかが入っている「聖路加タワー」と高級老人ホーム「聖路加レジデンス」の2棟から成る高層ビルです。「大川端リバーシティ21」と共に、隅田川に沿ってスカイラインを形成している、なんて言われてます。

1986年に着工された大川端リバーシティ21は、タワマンの”はしり”的存在で、某有名スポーツ選手とか有名歌手が住んでるって噂になってました。

ちなみに、聖路加ガーデンの隣に「聖路加国際病院」っていうめちゃくちゃ金を持ってる病院があるんですけど、僕はその横にあるちっちゃい病院で生まれました。

聖路加ガーデンの対岸にはさっきまでいた月島スペインクラブがあるんですが、夜見るとすごい目立ってるんですよ。前回も言いましたが、やっぱり月島のレベルじゃない(いい意味で)。

ちなみに月島スペインクラブが入っている旭倉庫には撮影スタジオもあって、僕はお笑いの撮影の仕事で行ったこともあります。

川沿いから見る水上バスや屋形船もいいですよね。特に屋形船は平安時代が発祥と言われている、日本の伝統文化なので。

そうそう、子供の頃は夏とかリアルに隅田川に飛び込んでました。めちゃくちゃ汚いですけどね。向こう岸まで泳いで行こうとする人もいたんですよ。僕はやらなかったけど。

いやー、本当にここからの景色はいいですよ。ちょうどスカイツリーと東京タワーが両方見えるスポットもあって。多分ここは月島にデートで来たカップルが最後にイチャイチャするところなのかもしれないですね。自分にとっては地元の男同士で喋るところでしたけど。多分今でも地元の子たちはマセてないんで、たむろしてるだけなんじゃないかな。

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▲変わらない景色に溢れる思い出話。

そうだ、僕、女性を車の助手席に乗せて見せたい最高の景色っていうのが一個あって。後輩芸人にしか伝えてないんだけど、左側がららぽーとで右側がお台場の道があるじゃないですか。その道を…あ、ちょっとこれは連載のネタとして温めておこうかな(笑)。

月島川水門から西仲通りへ

勝鬨橋の手前に月島川水門があるんですけど、昔水門の管理をしてたのが友達の家だったんですよ。井上くん。

ボロボロの心霊マンションみたいなところがあって、その裏でよく遊んでましたね。デニーズ勝どき店も都営アパートも変わらないなぁ。この辺りはタワマンがいっぱい建ったけど、意外と街並みとか雰囲気はあまり変わってないかな。

月島川水門から月島川沿いに歩いて行くと西仲通りに出るんですが、子供の頃はここで釣りをしていました。釣りと言っても釣竿がなくて、糸だけ垂らして頑張って釣ってましたよ(笑)。

月島と言うともんじゃ焼きですが、うまい焼肉のお店も多いんですよ。実家が焼肉屋って友達もいました。

某有名歌手が通っていた焼肉屋があったり…あ、「」はチャーハンが激うまです。焼肉ライスも醤油が強くておいしいんですよね。

ダイエー月島店の2階は月島温泉で、サウナもあるんですよ。今日は朝一発入って、月島スペインクラブに行く前も一回入ってきました。多分月島スペインクラブの写真の方が顔がスッキリしてたと思うんですけど、どうですか?

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▲この正面写真とぜひ見比べてみてください。

今日ももんじゃ屋店主・おたけ

西仲通りを月島駅方面に進むと見えてくるのが「好美家」。1954年創業の月島もんじゃの元祖ですね。

改めて西仲通りを歩くと、本当にもんじゃ焼き屋ばかりですね。松井さん(月島もんじゃ振興会協同組合の理事長であり、「バンビ」店主の松井勝美さん)も言ってましたけど、今90店舗くらいあります。

その中でも「竹の子」は、ちょっともんじゃ焼き屋の並びから外れちゃってるんですよね。それに、入口すぐのところにあるので、なかなか足を止めてもらえない立地です。普通みんな「奥の方のお店も見てみよう」ってなるので、うちの店なんかで止まれないんですよ。だから、正直商売するには厳しい条件。

けれど、小金沢さん(副理事長であり、「一樹」店主の小金沢晃さん)も言っていたように、商店街全体の活気は入口のお店の盛り上がりにかかっているので、これからもがんばりたいですね。

…ありがたいことに今日も満席みたいなので、ちょっと店に立ちます。ではまた次回!

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▲もんじゃ焼き屋店主はこれから出勤です!

<第4回に続く>

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