他人の家に10年住んで自分のものにする方法。知らないほうがよかった、裏世界の雑学【連載】4

文芸・カルチャー

更新日:2018/11/29

『禁断の雑学 誰もが口を閉ざす衝撃の雑学250』(黒い雑学研究会:編/彩図社)

 あなたが普段見ないフリ、気づかないフリをしていても、世の中には表の世界と裏の世界がある。テレビやインターネットで見聞きしたあのニュースが、実は裏では●●とつながっていた…、ということもいくらでもあり得るのだ。

「知りたくなかった」「知ってしまって怖い」という250の恐ろしい雑学をぎゅっと集約した1冊が、『禁断の雑学 誰もが口を閉ざす衝撃の雑学250』(黒い雑学研究会:編/彩図社)だ。そこから、今晩眠る前にふさわしい「闇の知識」の1篇をご紹介しよう。

■空き家を一定期間継続して占有すれば、自分のものになる(本書276頁)

 近年、増える空き家が問題視されている。相続しても所有権を登記しないままでいる人が増え、景観や火災、さらには事件との関連でもニュースに取りざたされている状況だ。

 だが、こんな空き家に住み着いて、自分のものにしてしまう方法がある。所有者のわからない空き家にこっそりと引っ越しし、数十年生活をする。たったそれだけで、家の所有権が住み着いた人に移ってしまうことを「取得時効」という。

 取得時効は、他人のものと知らずに使い始め、知らなかったことに過失がなければ(たとえば仲介業者に騙された場合など)、10年で成立する。他人のものと知っていた場合でも20年経てば成立するという。もちろん、所有者に見つかって申し立てがあったら、すぐに時効は停止する。当然だが、簡単に家を所有できるほど世の中は甘くないのだ。ぬか喜びをするくらいなら、知りたくなかった…。

 本書は、このほかにも日常的な事柄から、歴史、科学、事件など幅広いジャンルに関する「闇の知識」を網羅する。裏の世界を覗く、あるいは世界の恐怖について考えるひとつの入り口として、本書のページを開いてみていただきたい。

文=田坂文