【実録】うつ病患者が恐怖の精神病院に潜入/『マンガでわかるうつ病のリアル⑤』

マンガ

公開日:2019/8/19

重度のうつ病に5年以上苦しむも「メンヘラマッスル作家」として奇跡の復活を遂げた錦山まるが、あなたの知らないうつ病のリアルを教えます!

多くの人が精神病院に対して抱く、怖ろしいイメージは間違っている!


「精神病の人は暴れる、奇声を発する」は乱暴な決めつけだ。

 精神病院というワードを聞くと、何だか恐ろしい場所を想像される方がいます。

 精神科はどうしても内科や耳鼻科などに比べると身近でないし、精神病患者は叫んだり暴れたり何をするか分からないというイメージがあるので、無理もないかもしれません。

 ですが、皆さんと同じように怖ろしい場所を想像していた筆者が初めて精神病院に行った時の感想は「意外と普通だな…」でした。


実際に精神科に来ている患者さんは、他の科と変わらない。

 恥ずかしながら筆者も、自分がうつ病になるまでは精神疾患に対して強い偏見を持っていたので、精神病院の待合室にはヤバそうな人がいるんだろうと思っていました。

 ところが、待合室は制服を着た学生さんにお子さん連れのママさん、スーツを着たおじさまに派手派手なお姉さんに、ドレッドヘアーのヒップホップあんちゃんにおじいちゃんおばあちゃん…と、他の科で見かけるようなバラエティ豊かな方々。普通にどこを歩いていてもおかしくない人たちでいっぱいでした。「ヤバそうな人」なんて印象は全く受けません。


重症者が集まる閉鎖病棟だって、意外とフツーだ。

 たまに受付で揉めている人がいたり待合室で長時間待たされて怒る人がいたりと、トラブルを見た事も何度かはありましたが、それは他の科の病院でもあることです。

 筆者が精神病院の中でも重症者が集まる閉鎖病棟に入院していた頃は、病棟内で暴れる人や叫びだす人、物を壊す人などを見たこともありましたが、決してしょっちゅうというわけではありません。入院中も退院後も精神病院の印象はやはり「意外と普通だな…」でした。

 もちろん中にはトラブルの絶えない病院もある事でしょう。怖い場所だという印象を受ける病院だってあるでしょう。しかし、だからといって一般論として「精神病院=怖い場所」という事にはなりません。


精神科も皮膚科や眼科と同じ。ただの病院だ!

 精神病院に怖いイメージを持っているために受診を拒むケースや、受診している患者を周りが止めてしまうケースも聞きます。ですが精神病は病気です。出来るだけ早く専門医に相談するべきです。本当は怖い場所なんかじゃないのにイメージのせいで受診が遅れてしまい、最悪の事態になるリスクを増加させてしまうのは本当にもったいない事です。

 精神科も、皮膚科や眼科や肛門科などと同じくただの病院です。いつ自分や大切な人がお世話になるか分からない、ただの病院です。怖がる必要なんか全くありません。

錦山まる=2009年にプロ漫画家デビュー。月刊誌で連載を持ち単行本を出すも2013年に重度のうつ病と診断され、5年近く自宅療養の日々を送る。病気が回復するにつれ、同じようにうつ病に苦しむ方を1人でも楽にしたいと著書出版やSNSによる啓蒙活動に取り組む。著書に『「うつ」は甘え?ググれカス。』『きっと元気になれるから』他
Twitter:@nishikiyamamaru
錦山まる公認bot:@marurunzmemo