“ひらめき”に必要なのは「なんで?」だった! 東大の先生も重視する能力とは/『「発想力」と「想像力」を磨く 東大アイデア』⑤

ビジネス

公開日:2020/2/4

「天才的なひらめき」や「センス」は必要なし!

「目的」「調査」「発想」――3つの仕組みで「使えるアイデア」を生み出そう!

偏差値35から東大に合格した、現役東大生の著者が試行錯誤のうえ完成させた“東大アイデア”を初公開!

この連載ではその一部、日常からアイデアを【発想】する技を紹介します。

『「発想力」と「想像力」を磨く 東大アイデア』(西岡壱誠/マガジンハウス)

Ⅱ 日常から【発想】する技①
『QUEST(クエスト)』(“疑問”から始める)

「問い」を立てる能力の大切さ

 さて、ここまで「日常の解像度」を上げて「当たり前」のことからアイデアを考える必要があるという話をしてきましたが、具体的にはどうすればそんなことが可能になるのでしょうか?

 それは、東大の授業の中に答えがありました。

 東大では1・2年の間は全員が「教養学部」という学部に入り、さまざまな分野の勉強をすることになります。

 そこで展開されている授業は、「普段の当たり前の事象に疑問を持つ授業」です。

「問いを解く能力」ではなく、「問いを立てる能力」を身につける授業が行われているのです。

 たとえば、システム工学の授業では、「渋谷駅の構造」から話が展開され、最終的には「自分の身の回りにあるシステム工学的な工夫を考えてまとめなさい」というレポートが課されました。

 メディア論の授業では、「普段目にするCMが、歴史的にはどういう変遷を辿ったのか」を解説した上で「自分たちの好きなメディアに関する考察をレポートにしなさい」という課題が出ました。

 言語学では、「普段使う言葉」を題材にして授業が行われました。

 このように、日常生活と学問とを結びつけて考える授業が東大では行われているのですが、その際にどの教授も気にしていたのが「疑問を持つ」ということでした。

「どうしてこういう構造になっているんだろう?」

「なんでこういうCMが作られているんだろう?」

「なぜこの言葉はこういう使い方をするんだろう?」

 と、自分から疑問を持つことで、「日常の当たり前」の中からアイデアを探す訓練をさせていたのです。

<第6回に続く>