歳をとるのも悪くない!? 脳は歳をとると幸せを感じやすくなる!/ざんねん? はんぱない! 脳のなかのびっくり事典⑨

暮らし

公開日:2020/9/16

『びっくり事典』シリーズの最新刊! 今度のテーマは「脳」です。学習や記憶はどのようなメカニズムで行われている? 光や音などの外部刺激から、どのようにして世界観を作り上げている? など、脳にまつわるさまざまな謎を紹介していきます。

『ざんねん? はんぱない! 脳のなかのびっくり事典』(四本裕子:監修、加納徳博:絵、こざきゆう:文/ポプラ社)

脳は歳をとると幸せを感じやすくなる

びっくり度 ★★★★★

ざんねん? はんぱない! 脳のなかのびっくり事典

 中国の偉人・孔子の言葉に「四十にして惑わず、五十にして天命を知る、六十にして耳したがう」というものがある。歳を重ねれば不安が減り、おだやかになる、というような意味だ。どうやらこれ、脳を調べると本当らしい。

 アメリカのコロラド大学でこんな研究がおこなわれた。20歳前後と55歳以上の人に、「美しい夕日」のような好ましい写真、「事故にあった車」のようなイヤな写真などを見せ、脳の反応を調べるというものだ。

 結果は、若者はイヤな写真に強く反応したものの、年配の人はどの写真にも大きな反応はしめさなかった。イヤなものを見ても、落ち着いているのだ。

 さらに別の研究では、扁桃体という、感情のはたらきにかかわる部分に注目。年配の人の扁桃体は、好ましい写真を見たとき強く反応したのだ。これは扁桃体が、好ましい気持ちを生みだしているということ。

 歳をとると、若いときに感じやすいイヤな気持ち、不安な気持ちにふりまわされにくくなり、落ち着いて、おだやかな、幸せな気持ちになりやすくなるのだ。歳をとるのもなかなかいいってことだね。

50代前半を過ぎると幸福感がます

ざんねん? はんぱない! 脳のなかのびっくり事典

アメリカで、幸せな気持ちが年齢とともにどう変わるか、35万人に聞く調査がおこなわれた。すると、20歳より若い人は幸福感が高く、そこから一気に落ちこみ、40代から50代が超不幸せ。でも、そこを過ぎると老人になるまで、どんどん幸福感がアップする結果に。

<第10回に続く>