人に会わないとうつ状態になりやすい!? リモートワークの巣ごもり生活で、気をつけたいこと/かからない大百科①

健康・美容

公開日:2020/9/26

コロナ禍の「巣ごもり生活」で、心身ともに健康を保つための生活習慣とは? 『ホンマでっか!? TV』『世界一受けたい授業』などにも出演した疲労外来ドクターが、本当に正しい予防対策をわかりやすく解説。今すぐできる61の対策法から、一部をご紹介します。

かからない大百科
『かからない大百科 – 女性専門の疲労外来ドクターが教える本当に正しい予防対策61 – 』(工藤孝文/ワニブックス)

「家にこもる」だけで5割の人がノイローゼになる

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普段のなにげないコミュニケーションが心を癒す

 気うつや不安感、イライラ、不眠、疲労感などを引き起こす巣ごもりうつ。この原因に、人と会う機会が激減したことが挙げられます。私たちは普段、人とコミュニケーションをしながら幸せホルモンのオキシトシンを分泌させたり、適度なストレスを感じたりして、癒しや刺激を得ています。

 ところが人に会わないと、こうした癒しや刺激がなくなり、孤独感がつのって精神のバランスを崩しやすくなります。とくに一人暮らしの巣ごもりは、ノイローゼのリスクが高くなるため、注意が必要です。

直接対面すると五感が刺激される

 米国の心理学研究では、被験者が触覚のみ、視覚のみ、聴覚のみで人に会う実験を行なったところ、触覚のみの場合は信頼感や温かさを、視覚のみの場合は冷たさを、聴覚のみの場合は心の距離を感じていました。握手やハグなどで触れ合うと五感が刺激され、脳によい影響がもたらされます。また、人と対面して話すだけでも同様の効果が得られることがわかっています。

 リモートコミュニケーションが推奨される時代ですが、心の健康には対面の会話が欠かせないのです。

「あ、今日いい感じ♪」が続くコツ
家族や友人とできるだけ会って話そう

人はストレスがないと生きていけない。
だから「人と会わない」とうつ状態になる

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ストレスは人間に必要不可欠なもの

 人は、対面でのコミュニケーションが不足すると、ストレスによる刺激がなくなって、精神のバランスを崩しやすくなり、生活に支障が出るようになります(P15)。「でも、ストレスなんてないほうがいいのでは?」と思った方も多いことでしょう。

 しかし、ストレスは人間に必要不可欠なもの。疲労感を抑え、「頑張ろう!」というやる気の源になってくれます。ですから、もしストレスをまったく感じなければ、疲れやすく、やる気が出ない、などの気うつ症状を引き起こしてしまうのです。

いいストレスと悪いストレスがある

 とはいえ、もちろん過剰なストレスは心身に悪影響を及ぼします。適度で日常生活に必要な「頑張るストレス」はいいストレスですが、自分自身を追い詰める「我慢するストレス」は、悪いストレスになります。

 巣ごもり生活では、いいストレスが減る代わりに、一人で悶々と考え込むような悪いストレスが溜まりがち。ですから、悪いストレスを自分で見極めて、なるべく溜めないように工夫しましょう。ストレス発散の方法は、これからたくさん紹介していきます。

「あ、今日いい感じ♪」が続くコツ
悪いストレスを感じたら、状況を改善する工夫を!

「疲れ」と「ストレス」は、まったく別もの!

「疲労」と「ストレス」を似たものとしてイメージする人は多いと思います。実際に世界的研究でも、ひと昔前までストレスは疲労の一種と考えられていました。しかし疲労とストレスは、じつは正反対の役割を担っています。

 そもそも疲労には、体に溜まった「疲れ」と、私たちに疲れを伝える生体アラームとしての「疲労感」があります。ストレスは、生体アラームの疲労感を抑え、メリハリややる気を感じさせます。ストレスを感じると脳内にストレスホルモンのコルチゾールとアドレナリンが分泌され、疲労感を抑制してくれるのです。

 もしストレスがなくなると、疲労感ばかりを感じてなにも頑張れなくなってしまいます。つまり、疲れとストレスはどちらも互いに支え合う必要不可欠な存在なのです。

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<第2回に続く>