病気のネット検索は逆効果!? 深い呼吸と上向きの姿勢を意識して、自律神経を整えてみよう/図解 自律神経の話④

健康・美容

公開日:2020/10/30

心と体のパイプ役を果たす自律神経。原因不明の体調不良の多くは、自律神経を整えればある程度改善できます。私たちが日常生活で実践すべき自律神経を整えるコツなどを、専門医が図解でわかりやすく解説します。

眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話
『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(小林弘幸/日本文芸社)

「病気」のネット検索が新たな「病気」をつくる

「病気」をつくる「サイバー心気症」とは

 誰しも一度は体の不調の症状をネット検索したことがあると思います。最初は、軽い気持ちで検索したのに、思いもよらない重病の可能性があるという記事を読んでしまい不安になったことはありませんか?

 例えば、腰に不快感を覚えて「腰 違和感」などと検索してみたときに「がん」などの症状と一致していたら……。あらぬ心配が一気に沸き上がり、頭の中が病気のことでいっぱいになってしまうでしょう。こういったインターネットやテレビなどに氾濫する様々な情報にまどわされて心を病んでしまうことは「サイバー心気症」と呼ばれています。ひどい場合は自分が病気だと思い込み、体に痛みとして症状が出てくることまであります。

 病院へ来院する患者さんのうち、実際に病名がつくような方は1割ほどで、残りの9割の患者さんは特に疾患のないような体調不良の場合がほとんど。病気の検索をして心を病んでしまうくらいなら、すぐに病院へ向かうほうが賢明です。本当の病気なら早期に治療を開始できるし、そうでない場合は、心の安堵を得ることができます。

 病院へかかる目安としては、体の不調が2週間続くような場合。短期間の不調なら質のよい睡眠をとり、正しい入浴やストレッチなど本書で紹介する自律神経を整える方法で改善することがほとんどです。

眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話

即効で自律神経が整う「1:2」の呼吸法

深い呼吸と上向きの姿勢を意識

 私たちが普段何気なく行っている「呼吸」も、実は自律神経に大きな影響を及ぼしています。人はストレスを感じると交感神経が高まり、無意識のうちに呼吸が浅くなります。一方で、深くゆっくりとした呼吸には副交感神経の働きを高める効果があります。血管が広がって血圧が下がり、全身の血流が改善され、心身がリラックスした状態になります。つまり自律神経を整えるには、深い呼吸を意識することが大切なのです。

 そこで日頃から実践したいのが、吸うときは「1」、吐くときは「2」の割合で呼吸する「1:2」の呼吸法です。3~4秒かけて鼻から息を吸い込み、6~8秒かけて口からスーッと吐き出します。我々の実験結果ではこれを1日1回、3分間行うことで自律神経の調子が徐々に整ってくる事がわかりました。焦りやプレッシャー、イライラを感じるときにもこの呼吸法を行えば、すぐに呼吸が深くなりリラックスできます。

 深い呼吸を行うには姿勢も重要です。猫背や前かがみの姿勢では気道が狭まり、呼吸が浅くなる原因に。長時間のデスクワークやスマホの操作でも同様です。呼吸を深くするためにも日頃から背筋を伸ばし、上を向くよう意識することが大切。忙しくても休憩時には窓を開け、空を見ながら深呼吸したり、短時間でも外に出て背筋を伸ばして歩いたりと、自律神経を整えるよう努めましょう。

副交感神経を活性化する1:2の呼吸法

自律神経に大きな影響を与える「呼吸」。自律神経のバランスを整えるゆっくりとした深い呼吸は、意識して行うことによって副交感神経が活性化されて腸内環境が整い、血流もよくなります。この副交感神経を活性化させるのに効率的な呼吸法が「1」の割合で吸って「2」の割合で吐く「1:2の呼吸法」です。仕事の合間やイライラしたときなど意識的に行ってみましょう。

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眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話

1日に1回、3分間を目途に行う

こんなときにも1:2の呼吸法が効果的

人はストレスやプレッシャーを感じたとき、イライラしたときには呼吸が浅く速くなっています。こんなときも、意識をして1:2の呼吸法を数回行ってみましょう。気持ちが落ち着き、頭がすっきりとします。また、よいアイデアや解決策などが浮かんできます。

眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話

<第5回に続く>

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