医者が白衣を着る理由は、医学の進歩をアピールしてイメチェンすることが始まりだった/毎日雑学

文芸・カルチャー

公開日:2021/1/27

お医者さんの白衣は医学の進歩をアピールし、イメチェンを図るためだった/毎日雑学

 今回は「医者が白衣を着ている理由」ということで、医者にまつわる雑学を紹介します。

 医者はその象徴ともいえる「白衣」を着ていますが、そもそもなぜ白衣を着るようになったのか知っていますか?

 実は昔の医者は白衣を着ておらず、逆に黒衣を着ていたそうなのです。

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実は昔は黒衣だった

 それではさっそく、医者がなぜ白衣を着るようになったかを解説していきます。

 歴史を振り返ってみると、昔の医者は黒衣を着ていました。

 19世紀半ばに描かれた手術風景の絵画には、手術を行う医者が黒衣を着ている姿がしっかりと描かれているのです。

 この黒衣は「フロックコート」と呼ばれる服で、当時の男性の礼服として着られていたものだったそうです。

 医者が診療を行う現場は礼節を重んじる場所であったことから、礼服たるフロックコート(黒衣)を着て診療・手術に臨んでいたのです。

 現代では白衣を着るのが当たり前なので、黒衣の医者なんてちょっと想像ができないですね。

昔の医学は科学的ではなかった

 実は19世紀半ばまでの医学は現代の医学とは程遠いものであり、ほとんど科学的なものではなかったそうです。

 当時は病気の症状などに対する理解はありましたが、当然ながらこれといった治療法は確立されていませんでした。

 医者は個人の知識や経験だけで診療・手術するしかなかったのです。

 そのため、当時の医療現場では、現代の民間療法や迷信と変わらない治療が施されることもあったとされています。

医者も科学者として白衣を着るようになった

 医者が白衣を着るようになったのは19世紀半ば以降になってからのことでした。

 その時代には科学が目覚ましい発展を遂げたことにより、医学の分野も飛躍的に発展していきました。

 科学の進歩で病気の原因と治療法が発見されるようになると、医学のさまざまな研究が行われるようになり、医者も科学者であると考えられるようになりました。

 当時はすでに科学者は白衣を着ていたことから、医者も科学者として白衣の袖を通すようになったのです。

 医学が科学的根拠に基づくものであるということをアピールするため、イメチェンの意味もあったそうです。

近代ではさまざまなバリエーションの白衣がある

お医者さんの白衣は医学の進歩をアピールし、イメチェンを図るためだった/毎日雑学

 そして時代が進むにつれて、医療の現場では様々な白衣が着られるようになりました。

 昔は手術中に着られる白衣は長袖しかありませんでしたが、1970年代には施術中に半袖が着られるようになりました。

 これは1960年代にアメリカでヒットした医療ドラマの影響であり、ドラマのタイトルから「ケーシー型白衣」と呼ばれました。

 また、白色以外のグリーンスクラブと呼ばれる緑色の白衣も登場しました。

 手術中にはどうしても血の赤色を見る時間が長くなるため、その後に白色の物をみると視界に残像が残る現象があるそうです。

 それを解決したのがグリーンスクラブであり、他にも手術中に青色の白衣なども着られるようになりました。

 更に、現代では緑色や青色以外にも、さまざまな色の白衣が着られるようになったそうです。

 以上が「医者が白衣を着ている理由」についてでした。

 

まとめ

 医者は19世紀半ばまでは「フロックコート」と呼ばれる黒衣を着て診療や手術に臨んでいた。

 当時の医療現場では礼節を重んじていたため、礼服として黒いフロックコートを着ていた。

 19世紀半ば以降になって医学が飛躍的に発展すると、医者も科学者として見られるようになり、科学者と同様に白衣を着るようになった。

 現代ではさまざまな形や色の白衣が着られるようになった。

※提供している情報には諸説ある場合があります。ご了承ください。

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