ガチ恋/巴奎依の社会不適号㉓

アニメ

公開日:2021/3/12

巴奎依
撮影=山口宏之

恋愛のオーラを向けられることが、すごく苦手だったりします。
なんとなく、どことなく漂ってくる、「あなたが好きだよ」「付き合いたいよ」というオーラ。

私にとって「好き」という気持ちは
怒りや悲しみなどと同じ感情の爆発の一種でしかなく、恋愛感情が他の感情よりも特別なわけでもなく、ただただ感情の中のひとつ。

人に怒りをぶつけられると、ものすごく疲れますよね。
理不尽だと泣きたくなるし、そんな簡単に立ち直れなかったりします。

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それと全く同じなんです。

一方的に恋愛感情をぶつけられると、ものすごく疲弊してしまう。
しかも街ゆく人は皆、数ある感情の中でも恋愛感情を特別視しているので、当たり前のようにぶつけてくる。
これにうんざりなんです。

感情はいつだって曝け出すと疲れますが、曝け出された側も同じくらいに疲れる。

同じような理由で、「恋愛の目」も嫌いです。

目は口ほどに物を言うとはよく言いますが、好きな対象に向けるなんとも言えない瞳。
潤んだような、不安と共に支配欲も含まれているような目。
これを私は「恋愛の目」と呼んでいます。

はっきり言いますが、これが私は大嫌いです。

度々私はファンの方に対し、「ガチ恋をされるのは嫌だ」と伝えているのですが、これらも理由だったりします。

とはいえ好きになることを制限することはできないし、それについて私が支配しようとしているわけではないのですが、圧倒的な考え方の違いがあるんです。

もちろん私も、過去に芸能人に憧れたり、好きになったりしたことはありますが、好きの形が崇拝に近かったんです。

「SNSを更新してくれて本当にありがとう」って思っていたし、日々生きてくれていることに感謝していました。

だから、「好き」の解釈違いなんです。

今、好きな人がいる人たちに言いたいのは
「まず一番に相手の気持ちを考えているか?」ということ。

好きでいることは構わないし、もちろん好きを発信しなければ何も現状は動きません。

だけど、好きな理由、なぜ好きだと伝えるのか、なぜその人と付き合いたいのかを、今一度全人類に考えてほしいんです。

好きなのは、自分に優しいから。
好きだと伝えるのは、伝えずにモヤモヤする自分が苦しいから。
付き合いたいのは、支配したいから。

すべての理由が、結局自分のためであることが多すぎる。それを押し付けるな。
そんな人を好きになるわけないじゃないですか。

恋愛になった途端に周りが見えなくて、一番尊重すべき相手の気持ちさえ見えなくなるなんて、本当に恋愛ってバカだし、バカにならないと出来ない。

私がひねくれているだけではありますが、
私だったら、メリットデメリットを提示してもらって、プレゼンテーションをしてもらいたいです。

ともえ・けい
2012年よりA応P(アニメ“勝手に”応援プロジェクト)のメンバーとして活動をスタート。2020年8月2日に、A応Pを卒業。現在、インターFMにて毎週土曜28:30〜「DJサブカルクソ女の音楽解体新書」にてDJ番組を担当、DJCD「A応P BEST DJCD PRODUCED by DJサブカルクソ女」をリリースするなど、「DJサブカルクソ女」としても活動中。社会不適合者(自称)。
公式Twitter:@kei_tomoe
公式Instagram:kei_tomoe_official