Do you know BABYLONE?/オズワルド伊藤の『一旦書かせて頂きます』⑪

小説・エッセイ

公開日:2021/3/30

オズワルド伊藤

 こんな仕事をしていると、同じような境遇に置かれた者同士だけに生まれる見方や感じ方なんてものがあるなあと実感する。世間一般からすればただの私情だったりするのだが、今日はたとえ私情だと一蹴されたとしても、どうしても伝えたいことがあるのである。

 世は大コンテンツ時代。世は正に大コンテンツ時代なのだ。
 僕自身、世の中の媒体が増えすぎて、今一体自分は何に出てこれは一体何で観れるのか、さっぱりわからないまま、とにかく合間のお弁当の質からギャラを予想する毎日なのである。
 この大コンテンツ時代をどう捉えるか、あるいはどう捉えられるかによって、今後の芸人人生の全てとは言わないまでも、今後の芸人人生において、海中を光の方に泳ぎ続けるような暮らしの中に、海面から顔を出し息継ぎの出来る場所を作れるかくらいは決まってくるような気がする。

 とは言っても、やっぱり自分はTVが1番好きだし、色々なところに手を出して、上手に上手に、阿修羅よろしく様々な顔を臨機応変に使い分けれるような器用さは持ち合わせていない。
 現在売れているわけではないし無論まだまだスタートラインをうろちょろしている状況ではあるが、ライブシーンを駆けずりまわっていた毎日から、ほんの少しでも世の中に顔を出すことに成功したのはM-1のみに照準を絞ったからだと信じて疑わない。
 以前にも書かせて頂いたことがあるが、我々はお笑い芸人であってアスリートではない為、もちろんM-1以外のことも考えなくてはならないし考えるのも楽しい。それでも1発目、1発目の顔出しは絶対にM-1からと決めていた。というかM-1以外の可能性が爆裂に低いと自負していた。
 だから不器用な、例えば特技やらモノマネやらビジュアルやらバックボーンやらを持ち合わせないもしくは生かせない自分達でも、この世界で生きていく入り口に立たせてもらうことが出来たのではないかと思う。

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 話は少しそれたが、要するに頂いた仕事はそりゃ全力だしありがたいし、じゃんじゃんくださいなモードブリブリではあるのだけども、自分達から様々な媒体へ進出しまくることが、自分達に合っているかと聞かれたらそうではないということ。ネガティブな意見ではなく、はたまた閉鎖的なわけでもなく、今はただただそこまでのキャパシティを持ち合わせていないというお話なのだ。

 そんな中で、我々オズワルドが唯一自ら手をのばした媒体がある。
 それこそが、皆さんご存知YouTubeである。
 YouTubeに関しても、前述の通りめちゃくちゃに渋ってはいたのだが、明確にやりたいこと(ラジオ)があったのと、なんだかあまりにもみんなやってるし実態のわからなかったものがはっきりとした形までわかるようになったので驚く程すんなりと始めることが出来た。
 世は大コンテンツ時代改め大YouTube時代の為、あの手この手が飛び交う中で、なかなかに楽しく励ませて頂いている。

 例えば他人のルームシェアのメンバーを探すルームシェアオーディションを開催したり、最近では、コロナの影響で文化祭が開催されなかったクイズ研究部の女子高生がYouTube内のラジオコーナーに投稿してきてくれた縁で、クイズ大会を催す予定ができたり。
 やりたいと思ったらすぐに実現可能であることが、YouTubeの1番の魅力のように感じる。

 さてさて、今回ここまで大回りにYouTubeについて書いたのには理由がある。
 本来なら2行でYouTubeの話を出来たにもかかわらず、まるで大コンテンツ時代についての賛否でもプレゼンするかのような書き方をさせて頂いたのは、是非是非皆様にご紹介したいYouTubeチャンネルがあるからなのである。

 では、1投で肩外れるの必至な大振りも済んだところで、そのYouTubeチャンネルを紹介させて頂くとしよう。
 その名も『バビロン監視チャンネル』。
 我々オズワルドの吉本の1年先輩である、バビロンさんというトリオからなる爆裂お笑いYouTubeである。
 百聞は一見にしかずの極みのようなチャンネルなので、是非皆様にも1度ご覧頂きたいのだが、どれから観たらいいのやらの極みだと思うのでざっくりと一押しを紹介させて頂く。なぜざっくりなのかというと大回りし過ぎたから。

 まずこのチャンネルの、むしろバビロンというトリオの1番の特徴は「体を張ること」。
 毎ライブ必ずTシャツを破るくだりがあり、これさえ出ればどんな場でも丸く収めてきた。
 表現として正解かはわからないが、第2のダチョウ倶楽部と言わせて頂けるなら、最もイメージがしやすいであろう。
 100人いたら100人笑わせようという気概は図抜けている。
 ポルシェに乗りながら時代と逆走しているような芸風であるが、チャンネル内にある不眠不休対決など、本当にバカバカしく、それでいて胸が熱くなる企画の目白押しなのだ。

 例えばバビロンの核弾頭、オートブチ切れツッコミの千葉さんがやらせ一切無しのリアルハニートラップにかけられる回なんて抱腹絶倒。

 あとはもうノリさんなんて熱量が半端じゃなくて喋ってるだけで笑っちゃうし、太田さんなんてなんかダジャレ言ってるし。
 とにもかくにもバビロンはめちゃくちゃに面白いのである。めちゃくちゃにかっこいいのである。

 ところが、しばらく前から彼等が妙なことを口走るようになった。

「2021年4月までにYouTube登録者数1万人いかなかったら解散」

 正気ではないと思った。本末転倒じゃねえかとも思った。
 それでも、そこからのバビロンさんの頑張りは、面白さは、かっこよさはえぐえぐだった。

 ここまで言えばおわかりであろう。
 お察しの通り、僕はこの東京吉本の宝を失いたくない。解散させたくないのだ。
 自分達で言い出したことであり、現状バビロンさんを認知していない方からしたらまじチョベリバであることは重々承知な上で、どうかその指で、騙されたと思って「チャンネル登録」に指紋をくっつけて欲しい。ていうか本当1回観て欲しい。タイヤパンクしたくらいのことまでなら全力で忘れさせてくれるから。
 長々と失礼しました。思いっきり私用に使いましたが、どうか皆様よろしくお願いします!
 ただどうか皆様、もし観て損したと思った場合、クレームは全てバビロン監視チャンネルへよろしくお願いします。

 一旦辞めさせて頂きます。

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オズワルド 伊藤俊介(いとうしゅんすけ)
1989年生まれ。千葉県出身。2014年11月、畠中悠とオズワルドを結成。M-1グランプリ2019、2020ファイナリスト。


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