子どもの自己肯定感を上げるには、親の声掛けや態度が重要! イライラした時は“6秒ルール”を実践/わが子が勉強するようになる方法 ③

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公開日:2021/4/12

中学受験を取り巻く社会環境は大きく変化し、今までの受験対策では対応できなくなっています! 偏差値が高くても試験に落ちることも。そこで、「伝説の家庭教師」が、自分の力で生きていける子どもを育てるための、38の実践的なルール・方法の中から抜粋してご紹介します。

わが子が勉強するようになる方法
『わが子が勉強するようになる方法 2500人以上の子どもを超有名中学に合格させた「伝説の家庭教師」が教える超実践的な38のルール』(西村則康/アスコム)

わが子が勉強するようになる方法

お母さんがわが子の情報収集をして状況を把握

「子どもがなかなか集中して勉強しないのですが、どうすればいいですか」

 お母さん方からこんな質問を受けることがよくあります。それを解決するためには、まずはお母さん自身が、子どもが集中して勉強する時としない時に、どのような差があるかという情報を集めてみましょう。そしてその原因を、「気持ちの面」と「内容の面」で切り分けて考えてみることです。

 子どもが集中して勉強していた時を見計らって、こう質問してみます。

「今日はすごくがんばったみたいね。どうしてこんなにできたのかな?」

 さらに集中できていない時には、

「宿題ができていないみたいね。何か困ったことがあった?」

 こうやって質問を重ねることによって、子どもの具体的な理由や状況がわかってきます。

 たとえば、教科によって集中する、しないという状況が起きているのだとすれば、お母さんが外出している時は、得意教科をやるように導いていきます。計算練習や漢字など繰り返し、定期的にやらなければならない勉強もおすすめです。

 反対に、苦手な教科や難しい問題に取り組む時には、お母さんが横についていられるようにするのです。

 もし集中できるかどうかが曜日によるのであれば、集中できない曜日は得意科目、集中できる曜日は苦手科目をやるようにします。そうやって学習の仕方を、1週間単位で管理していきます。

 さらに、状況を把握するためにこんな質問をするのもいいでしょう。

「〇〇ちゃんが一人でできることは何かを教えてくれる?」
「どんな勉強を手伝ってほしい?」

 この質問のメリットは、お母さんが子どもの様子を理解できるだけでなく、親の問いかけに子どもが答えることにより、子ども自身も自分の勉強を客観的に見られることです。

子どもを激しく責めたてるのは百害あって一利なし

 それからもう一つ、勉強に集中させたいからといって叱咤したり怒鳴りつけたりするのは、まったく効果がないと覚えておいてください。

 時に塾では、ほかの子どもへの見せしめという一種のスケープゴートとして、一人の子どもを激しく叱ることがあります。

「なぜ、前にやったことができないんだ!」
「なぜ、宿題をやっていないんだ!」

 そう言われた子どもは、うなだれるしかありませんし、まわりの子どもたちも委縮してしまいます。

 それはむしろ、講師自身の力量不足ととらえるべきだと私は思います。子どもの頭に記憶させられなかったことや、宿題をやらせることができなかったことを反省したりするべきでしょう。

 私はこれまでに、塾の先生が怖くて塾に行けなくなってしまった子どもを何人も見てきました。その多くは、クラスメートが激しく叱られているのを見て怖くなったことが原因でした。

 また、塾に行けなくなることはなかったけれど、「わかったふり」や「宿題をやったふり」をするために人の解答を写すなどする、といった例もたくさんありました。

 でもこれは、塾の先生だけでなく、お母さんにも気をつけていただきたいことなのです。

「なぜこんなことがわからないの!?」
「なぜこんなミスをするの!?」
「なぜ勉強に集中できないの!?」

 という、お母さんの怒気を含んだセリフは、子どもを委縮させます。

 お母さんが子どもを叱るセリフは、多くの場合〝ダブルバインド(二重拘束)〞になっていることがあります。ダブルバインドとは、ああ言えば叱られ、だからといってこう答えても叱られる。子どもにとって、出口のない詰問です。

「なぜこんなことがわからないの!?」と聞かれて、「よく聞いてなかったから」と答えれば、さらに叱られることは当然予想できます。だからといって、「難しいから」と答えれば、お母さんからはまた別の悪口雑言が飛び出してくることも予想できます。このような場合、子どもは口をつぐむしかないのです。

 こういうことを繰り返していると、子どもはひそかに反抗心を溜めるようになります。そして子どもによっては、自分が鈍感になることでそういった状況をやりすごそうとするようになり、また、お母さんの話には無反応を装うことを学習してしまうのです。

 子どもに何度言っても勉強へのやる気が見えない時は、一度、お母さんのセリフを見直されることが必要かもしれません。

わが子が勉強するようになる方法

感情が高ぶった時の〝6秒ルール〟

 子どもに「こうしてほしい」という母親の願いを、どのように伝えていらっしゃいますか。

 その多くは叱るか、たしなめるといったところではないでしょうか。でも、そういった声かけでは、子どもは99パーセント、言うことを聞きません。

「こうでなければダメ」「こうすべき」という言葉は、子どもにとってストレスになるだけなのです。考えてみてください。それは大人だって同じことですよね。

 子どもは、直接義務感を刺激されるような言葉を嫌います。ですから、「すべき」ではなく「〜してくれたらうれしいわ」という言葉を使います。

「なぜ?」と聞く時も、怒気を含んだ「なぜ?」は子どもの気持ちを縮こませるだけです。やさしく興味深い表情で「なぜ?」と尋ねてください。

 それでも、感情が高ぶってしまった時の対処法をお教えしましょう。とりあえず、言葉を発する前に6秒待ちます。そして子どもの顔を見ます。すると、

「うちの子なりに、がんばっているんだけれど」
「あの子なりに、しまったと思っているようだ」
「自信をなくして、ちょっとイラついているのかな」

 といったように、この6秒という短期間にさまざまな想いが湧き起こってくるはずです。

 そんな母親の様子を見ている子どもは、

「いつも瞬間湯沸かし機のように怒りだすお母さんが、何か考え込んでいる」

 と思います。感受性の強い子どもであれば、

「お母さんなりに冷静になろうと努力しているんだ」

 というようなことまで感じとるでしょう。

 煮詰まって、「○○しないと、□□になってしまうわよ。いいの!?」と逆説的に言いがちですが、でもその言葉は子どもをイラッとさせるだけです。子どもの心を考えて、そうあってほしい方向に行くような言葉がけをしましょう。正直な言葉をそのままぶつけることが常にいいわけではないのです。

宿題をすぐにやらせたかったら、まずは「お帰り! 」

 私が家庭教師をしている、ある子どものお母さんはとてもしっかりした方で、会社の社長をしています。その人に、

「子どもはデキの悪い社員のようなものだと思えばいいんじゃないですか」

 と言ったら、

「あ、そうですね。よくわかりました」

 と、とても腑に落ちた様子でした。

 子どもには、「近未来の成功した自分の姿」を想像させるような言葉を投げかけると効果的です。今、社会人でも人材育成のためのコーチングが盛んにもてはやされていますね。それと同じ方法です。

 学校から帰ってきた子どもに、

「まだ宿題やってないでしょう。もうしょうがないわね。早くやりなさい!」

 と怒鳴るのは絶対にやってはいけない行為です。子どもは、言うことを聞きません。宿題をやらせたいのなら、その場にいる子どもに対して、

「お帰り」

 と、やさしくその存在を認めてあげる言葉をかけます。そして、

「今日は暑くて大変だったわね」

 とか

「雨に濡れて大変だったでしょう」

 と、ねぎらってあげましょう。

 すると子どもは、母親が自分のことをきちんと感じとってくれている、と実感できます。そしてそのあとに、

「宿題あるんでしょう。大変ね。でも早くできちゃったら気持ちいいんじゃないかな」

「あなたは頭がいいんだから、ほかの子が何時間もかかる宿題でも、すごく短い時間で解けちゃうもんね」

 などと笑顔で言ってあげてください。

 それが嘘であっても、そう言われたら子どもだって悪い気はしません。「じゃあ、早い時間で終わらせよう」と前向きな気持ちが高まるものなのです。

 そうやって自己肯定感を上手に子どものなかに育みながら、自分からやるように仕向けていきます。

<第4回に続く>

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