美しい人の共通点は姿勢。まずは自分の姿をセルフチェック！／1分で美姿勢になる ファシア・ストレッチ①

「美」とは、スタイリッシュな姿勢から

〝姿勢が美しい人〟とはどのような人を想像しますか？

背筋がピンと伸びたモデルのような人？

すらりと伸びた手足、すっきりした細いウエスト、キュッと上がったヒップを持つ人でしょうか？

そんな美姿勢になるために、どんなに食事制限や筋トレをしても、鏡に映る私はというと――、

ぽっこりお腹や、たれ気味のお尻、ねこ背や巻き肩……。

どうにかならないかと悩ましくなってしまいます。

実はそれ、人体最大の組織「ファシア」が原因だったのです。

本書が紹介するそのファシアをほぐすストレッチで体は美姿勢に生まれ変わります。

「若さ」とは、エネルギッシュな体から

プロポーションがいくら素敵でも、体の痛みや不調を抱えていたら、表情にどこか暗い影が表れたり、老けて見えたりしてしまいます。

「最近、疲れやすいし、次の日も疲れが残りがち」、「肩こり、腰痛、頭痛が治らない」、「冷え性や便秘が続いている」などの体の不調。

さらには「イライラ」「うつ気味」などの心の不調。

このような体と心の悩みを抱えていませんか？

実は、体の内側から元気に、若々しくするファシア・ストレッチは、さまざまな悩みに効くのです。

美姿勢になって、若々しい体と心を手に入れるストレッチ――。

それも1日2回のストレッチをするだけ。やり方も簡単です。

ただし、意識してやらないと効果はありません。

ぜひ、本書を読んで、実践してみてください。

美と若さのカギを握る「ファシア」の秘密

　美姿勢のカギ、それはファシアが握っています。

　美しく若々しい人は、間違いなくファシアが健康的な人です。

　では、ファシアとは何でしょうか。

　体の中には、筋肉、心臓や肺、血管や骨、神経などがあります。さまざまな働きをするそれらが、体の中にギュッと収まっています。

　こうした筋肉や内臓などが活発に動くことができて、さらに、お互い邪魔せずに活動するためには、それらの間に〝あそび〟の部分が必要です。そのあそびの部分にあたるのがファシアです。ファシアは、筋肉や臓器、神経などを包み込み、ボディスーツのように体全体にフィットしています。

　たとえば、みかんの皮をむくと、皮と実の間に白い筋状のものがありますね。この筋状のものと実を包む薄い膜を合わせた部分がファシアです。ファシアは体全体に張り巡らされた重要な組織だと感じていただけたでしょうか。

　そして、注目したいファシアの特徴は主に2つあります。

①動かさないと硬くなる
②動かすとやわらかくなる

　運動不足や長時間の座り仕事などで動かないでいるとファシアが硬くなり、不調が生じます。みかんを放っておくと乾燥して硬くなり、皮がくっついてむきづらくなるのと同じように、人の体と心にさまざまな悪影響を及ぼしてしまいます。「ファシアが美姿勢のカギを握っている」というのは、そのためだったのです。

ファシア健康度チェック①
セルフ姿勢チェック

　まずは、今の自分の姿勢を鏡などを使ってチェックしてみましょう。体の力を抜き、腕をクロスして横から見ると、ぽっこりお腹、ねこ背、たれ尻かわかります。同時に、骨盤がゆがんでいるかもわかってきます。骨盤のゆがみ取りは70ページのストレッチをやりましょう。

ファシア健康度チェック②
肩甲骨度チェック

　美姿勢かどうか、体の内側を確認するテストです。

　壁際に立って、ゆっくりと腕を上げてみましょう。違和感が出たり、痛いと感じたらストップ。その角度で、やわらかさがわかります。肩甲骨あたりがやわらかいほど、姿勢もきれいになりやすく、若々しいのです。肩甲骨あたりが硬い場合は、64ページのストレッチをやりましょう。

ファシア健康度チェック③
骨盤度チェック

　美姿勢かどうか、体の内側を確認するテストの骨盤編。テスト1～3をクリアできるかがポイントです。全部できたら、健康な状態です。1～2つできたら、やや硬めの状態。1つもできなかったら赤信号です。骨盤まわりをやわらかく動かせるほど、姿勢もきれいになりやすいでしょう。骨盤まわりが硬い場合は、70ページのストレッチをやりましょう。なお、倒れても大丈夫なように周りに物がないようにしてから行ってください。

＜第2回に続く＞