下肢静脈瘤に効果抜群!名前は強烈…。自宅でかんたんにできる体操とは?/下肢静脈瘤の治し方④

健康・美容

公開日:2021/8/13

 広川雅之著の書籍『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』から厳選して全5回連載でお届けします。今回は第4回です。足に謎のボコボコができる、青い血管がウネウネする…そんな症状で悩んでいませんか?下肢静脈瘤は、足の静脈の弁が壊れて起こる病気です。推定患者数は1000万人以上とされており、きちんとした医療機関で診察を受け、正しく治療をすれば改善されます。血管の名医でもある広川雅之先生が、「下肢静脈瘤のセルフケアと最新治療」をご紹介します。

血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方
『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』(広川雅之/KADOKAWA)

下肢静脈瘤の治し方

ごろんと横になって行う体操は
心臓に血液が戻りやすくなり、効果抜群

 体操といっても、動きがむずかしかったり、特に激しいものではありません。着替える必要もなく、思い立ったらすぐにできるものばかりです。

 これまで、家でできる体操としてもっとも反響の大きかったのが「基本のゴキブリ体操」です。インパクトのあるネーミングにギョッとした方もいると思いますが、とにかく簡単にできますし、効果もとても高いので、多くの方に取り入れていただきたい体操です。

 あおむけになって、両手・両足を上げ、ブルブルと震わせるだけなので、体操ともいえないほど簡単です。横になるだけでも足にたまった血液は心臓に戻りだしますが、手足をブルブルさせることで血流がグンと改善します。

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 人間の体の隅々まで血液をいきわたらせている毛細血管の約7割が、手足に集まっています。手足を小刻みに動かすことで、毛細血管の負担が軽くなり、足の血液が心臓に戻るのを助けてくれます。

「ゴキブリ体操」は、「毛管運動」ともいい、治療に取り入れている医師も多くいます。毛細血管は体の隅々まで酸素や栄養を運ぶ役割をしているので、それを活性化させることは、全身の血液循環をよくすることになります。

 下肢静脈瘤以外に、高血圧、低血圧、冷え性、便秘などにも効果があるといわれています。

 午後から夕方の間に必ず1回、できれば昼食後の休憩時にも1回、夜にも1回の計3回行いましょう。余力のある方は夜寝る前にさらにもう1回行うと、より効果があります。

 昼間行うときは、そのまま横になって寝てしまってもかまいません。私も「できるなら一度昼寝して」と勧めているくらいです。寝ている間にむくみが解消されます。昼食後にゴキブリ体操をしてから30分程度の仮眠をとる、という一連の流れを習慣にするといいでしょう。

血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方

血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方

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血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方

 もし、両手・両足を上げたままで動かすのが辛いという方は、片手・片足ずつ震わせる、または足だけ震わせる、足首を回すなどのバリエーションもありますので、そちらを試してみてください。

 これがラクにできるようになったら、徐々に時間を長くしたり、回数を増やしたり、両手・両足にしてみたりと、レベルアップさせましょう。

 反対に基本のゴキブリ体操が物足りなくなってきたり、より効果のある体操を試してみたいと思ったら、足を自転車をこぐ要領で回す体操にチャレンジしてみましょう。寝たまま足を回すだけですが、下半身全体を大きく使うので、少し汗ばむぐらいの運動量になります。

 ここで紹介した体操はとても簡単ですが、それでも毎日続けるとそれなりに筋力がついてきて、物足りなくなってくるはずです。

 とはいえ、がんばりすぎは禁物。あくまでも、継続して毎日行うことが静脈瘤の症状を解消する第一歩ですから、毎日続けられる範囲で行いましょう。

 足の症状がラクになってきた実感がわくとさらに続けたくなりますので、ぜひ毎日こまめに行ってください。

<第5回に続く>

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