「◯◯様でございますね?」って正しい? いまさら聞けない、教えてもらえない、社会人として知っておくべきマナー

ビジネス

2018/4/27

『図解 仕事の基本 社会人1年生大全』(北條久美子/講談社)

 今年も春を迎え、さまざまな企業では新社会人が活躍し始めている。学生時代とは異なる所作を求められる中では、先輩や上司、取引先などとのやり取りを実践する上で、ひょっとすると場面ごとに「どうするのが正解なんだろう?」と悩む人たちも少なくないはずだ。

 そんな新社会人に向けておすすめしたい書籍が『図解 仕事の基本 社会人1年生大全』(北條久美子/講談社)である。社会人としての心がまえや身だしなみのほか、部下としての振る舞い方、細かなシチュエーションごとのマナーを分かりやすく伝えてくれる一冊だ。

■電話で大切なのは会社の顔として「責任ある受け答え」をすること

 タイトルにあるとおり、初々しい“社会人1年生”に優しく語りかけてくれるような本書。業務を進める上ではさまざまな作業があるが、例えば、電話はベテランの社会人であっても、緊張するという声もよく聞かれる。

 経験の少ない新社会人であれば、よけいに緊張するのは当然。何ごとも初めが肝心だともいわれるが、本書では、新人ならば「1年目の、特に5〜6月までは少し高めのテンションでいましょう」とアドバイスしている。

 ただ、基本的なマナーも必要で、まず押さえておくべきなのは「(会社を)代表するつもりで責任ある受け答え」をすること。第一声は「はい! ◯◯◯◯です」と元気よく、会社名や部署名を名乗るなど、職場の慣例に沿った言い方を先輩や上司にあらかじめ確認してから受け答えをしてみよう。

 また、相手からの用件を先輩や上司へ伝言するためには、やはりメモが必須。どこの誰から電話があったのか、相手が社内の誰に対してどんな用件を求めているかを把握しておくのが大事で、電話の最後には「それでは、◯◯が戻りましたら、◎◎様に電話するように申し伝えます」など、復唱して内容を確認するのも大切だ。

■名刺交換で心がけておきたい基本的な流れ

 部署によっては、社外の人たちとのコミュニケーションが主体になることもありうる。電話と同じく、こちらも会社の顔としての振る舞いが求められるのだが、初対面の相手と接する上では、名刺交換も大切な場面である。

 名刺をもらうときは、お手本となる流れがいくつかある。そちらについては、以下の図を参考にしてもらいたい。

(1)名刺を相手に向けて名刺入れにのせ、正面に立つ

(2)挨拶・自己紹介→名刺交換。
行動と言葉を分けると美しい

(3)視線を名刺に落とし、「頂戴します」と受け取る

(4)名前を口にし、「よろしくお願いいたします」と挨拶

(5)受け取った名刺はいったん名刺入れの上に置き、机に並べる

(6)面談が終わったら丁寧に名刺入れにしまう

 また、名刺にまつわるいくつかの小さな疑問にも本書は答えてくれる。例えば、名刺入れを忘れるというのは、ベテランの社会人であっても時折あることだが、手帳などいくつかに分散して名刺を入れておけば予防できる。雑談のきっかけになることもあり、いただいた名刺や相手の名前などについて質問すれば、場の緊張をほぐすこともできるはずだ。

■ベテランの社会人でも迷う「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」をマスター

 敬語を使いこなすことも、社会人にとっては重要だ。ベテランの社会人であっても時折迷ってしまうときはあるが、まず押さえておきたいのは、下記のような「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の違いである。


 よくある間違いの一つは、謙譲語の誤用だ。例えば、よく聞く表現だが「◯◯様でございますね?」というのは間違い。謙譲語はそもそも、自分を下げることで相手を立てるという言葉の使い方であり、この場合には「◯◯様でいらっしゃいますね?」というのが正しいとされている。

 また、本来は相手を立てるために使われる尊敬語でありがちなのが、二重敬語になってしまうこと。例えば、「こちらはお試しになられましたか?」は、すでに「お試し」で相手を敬っているにもかかわらず、さらに「られる」を付け加えている。これは過剰であり、ふさわしくないとされため、「こちらはお試しになりましたか?」と聞くのが適切だ。むやみに敬語を重ねないように注意したい。

 初めての経験というのは、誰しも緊張するもの。これからの活躍が期待される新社会人にとって、本書はさまざまな場面で役に立つ一冊だ。そして、初めから上手くこなせる人はなかなかいないので、失敗を重ねて成長していくのも仕事のうちだというのも忘れないでいてほしい。

イラスト/白井匠
文=カネコシュウヘイ