GW中に読み切れる! 気分で選ぶ、10巻以内に完結する傑作マンガ4選

マンガ

公開日:2019/4/29

 みなさん、今年のGWはどう過ごされますか? 10連休をフル活用し、海外旅行に行かれる方も多いのではないでしょうか。しかし中には、「10連休だけど、どこにも行かない・やることない」という人もきっといることでしょう。

 そんな人は何をすればいいかって、漫画を読めばいいんです! それも、普段はあまり読まないジャンルの漫画に挑戦して、己の知見を広げてみてはどうでしょうか。

 そこで、GW中に読みやすい漫画として、10巻以内に完結している傑作漫画を4つご紹介したいと思います。あなたの気分にあった漫画をぜひ見つけてください。

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●GWに危機回避能力を高めたい人へ

『ちおちゃんの通学路』(川崎直孝/KADOKAWA/メディアファクトリー)全9巻

 連休中になんらかのスキルを高めようと思っているのなら、危機回避能力を高めてみてはいかがでしょうか。そんなあなたにおすすめなのが、こちらの作品です。

 高校1年生のちおちゃんが、学校に行くまでの間に、何かしらのトラブルに巻き込まれるというストーリー。朝から暴走族に絡まれるわ、間違えて男子便所に入るわと、色々と残念なちおちゃん。

 しかし、日々、玄人向きのネットゲームで鍛えているちおちゃんは、危機回避能力が、とにかくすごい。無駄に高い身体能力を活かして、絶体絶命のピンチを次々と乗り越えていきます。

 ちおちゃんのような危機回避能力が身につけば、職場でもきっと役に立つはずです。

●視野を広げたい人へ

『阿呆にも歴史がありますの』(長崎ライチ/エンターブレイン)全1巻

 自分の視野はまだまだ狭い……そう感じているあなたは、狂気ギャグ漫画を読んで、世の中の見方を変えてみてはいかがでしょうか。『ふうらい姉妹』で有名な長崎ライチ先生の短編漫画集が、役に立ちます。

 収録されている10作品の中で、特におすすめしたいのが、『面接コワイ!!』。貧乏暮らしの男が、意を決して会社の面接を受けに行く……というストーリーなのですが、セリフ、構成、演出、すべてが傑作です。まるで短編映画を見ているようです。

 筆者がはじめて『面接コワイ!!』を読んだ日は、ツボにハマりすぎて、ほぼ一日中繰り返したほど、中毒性があります。

「自分が思っていたストーリーと違う」。きっとそんな風に感じさせてくれるはずです。

●頑張りすぎて疲れた人へ

『とりあえず地球が滅びる前に』(ねむようこ/小学館)全4巻

 主人公の寅子は、ゆるい空気のバスケ部で、仲のいいチームメイトたちと共に、適度に部活を楽しむ毎日を送っていた。そんなある日、寅子たちの前に現れたのは、正真正銘の“神”。寅子たちがバスケの県大会で優勝しないと、世界が滅びるという。

 ところが、人類の運命を託されたにも関わらず、とにかくゆるい寅子たち! 今を生きる女子高生にとって、目の前にある恋とか友情のほうが、ずっと大事なのです。

 だけど、地球が滅亡するのも嫌。じゃあ、どうすればいい? そこで寅子は、一つの答えに辿り着きます。

 寅子を見ていると、自分がいかに、物事を複雑に考えていることを思い知らされます。世の中は、もっと単純なんです。毎日頑張りすぎて疲れたあなたは、寅子を参考に、頑張らない方法を模索してみてください。

●価値観を改めたいあなたへ

『娘の家出』(志村貴子/集英社)全6巻

 離婚し、離れて暮らす父親のもとに家出をしたまゆこ。なぜ、まゆこが家出をしたのか、家出をしたまゆこは何を確かめたかったのか……が、第一話。その後は、まゆこだけでなく、様々な人物にスポットを当てた、群像劇になっています。

 父親の元同僚と不倫をしてしまう女の子や、アイドルの追っかけをする女性教諭、夫を男に取られてしまった主婦など、ジメっとした人々の日常が、実に爽やかに描かれています。

 一見すると地味な人が、すごいドラマチックな経験をしていたり、最低だった人が、少しだけ可哀想に思えたりと、志村貴子先生の描く人間模様は、本当に圧巻です。この作品を通して、多様な人生観を学んでみるといいと思います。

 読むべき漫画がたくさんあると思うと、暇だったはずのGWが、急に忙しく思えてきませんか? どうぞ、素晴らしいゴールデン・漫画・ウィークをお過ごしください!

文=島野美穂/清談社