インドネシアで500万人以上が感動した国民的名作が、ついに日本上陸!『虹の少年たち』
更新日:2013/11/6
「レインボープロジェクト」とは?
『虹の少年たち』は、こうして発売決定した!
いくら素晴らしい物語でも、読者に届かなければ意味がない——出版元のサンマーク出版では、きちんと読者に届く仕組みを作るために、まずは届け手である書店に納得してもらおうと、タイトルをもじった「レインボープロジェクト」を立ち上げた。
その内容は、ずばり「3000部以上の注文がなければ出版をしない」というガチンコの公約を掲げること。まずは非売品の見本(写真1)を希望する全国の書店に配布し、書店には売りたいと思う数だけの注文をお願いしたのだ。
プロジェクトがスタートしたのは今年の8月上旬。9月20日の注文締め切り日を目指して、8月後半には日々の受注カウンター(写真2)入りの専用サイトもオープン。結果を随時共有してはみたものの、にぶい数字の推移にヒヤヒヤしたことも多々あったという。
結果的には最終日に3219部に到達し、無事に目標をクリアして出版が決定。前代未聞のチャレンジに大いに肝を冷やした編集部だが、注文だけでなく書店員からの熱いメッセージも多数寄せられ、この本の潜在的な魅力があらためて浮き彫りになった。
⇒プロジェクトHP
取材・文=荒井理恵 イラスト=黒崎 玄
<寄せられた書店員メッセージから>
●学校に行き、学べることのありがたさ。友だちの大切さ。私たちにとって、当たり前だと思っていたことが、とても幸せで、奇跡的なことなのだと感じました。10人の子どもたちは、みんな輝いていて素敵です。
(熊谷市/須原屋熊谷店/渡辺真紀さん)
●子どもたちが歓声をあげるシーンでは、読み手も「やったぜ!」と歓声をあげたくなる。子どもたちの現実が見えるシーンは心が痛い。「夢をあきらめないことが大切で、埋もれた才能をいかしてあげることも大人の義務である」とこの素敵な小説は教えてくれた気がします。
(倉敷市/マイブックシェルフ ヤマナ本店/山名弘晃さん)
●貧困と教育にまつわる問題を鋭く提起しながらも、ユーモアを失わない語り口で上質な物語に仕上がっている。ほろ苦い結末だが読後感は非常に前向きで「誰でも、どんなに環境が制限されていたとしても、夢を持つ権利がある」し、「この世において努力なしでつかめるものなどない」というメッセージが強く心に残った。
(大阪市/MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店/生駒圭子さん)