『変な絵』雨穴が語る、世界150万部突破の“3つの理由”。「漫画のように読みやすくし、YouTubeも活用。そして…」記者会見レポート

文芸・カルチャー

公開日:2025/2/4

 世界150万部を突破した戦慄のスケッチミステリー『変な絵』(雨穴/双葉社)。主人公たちの7年後を描いた「続編」『新・変な絵』が収録された文庫本『変な絵』も出版され、「驚くような結末が隠されている」と話題となり、重版がかかっている。

変な絵雨穴/双葉社

 このほど異例の世界30カ国(北米・ヨーロッパ、南米、アジア)で出版されることとなり、欧米のベストセラー作家たちからも「素晴らしく革新的、不気味で巧妙」(*1)、「雨穴は破壊者であり、静かな恐怖の達人である」(*2)など熱心なコメントが寄せられているという。この快挙を受け、1月16日、国内外のメディアに向けて、著者である雨穴さんの初の記者会見が外国人特派員協会で開催された。

*1 G.T.カーバー 『マードル』著者
*2 ジャニス・ハレット 『ザ・アピール』著者

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「リアル雨穴」の登場に内外メディアが注目!

 日頃、YouTubeにしか登場しない雨穴さんのリアルの顔出し会見とあって、会場にはAP通信など外国メディアのほか、日本のメディアも多数訪れ会場は満席。おなじみの黒の全身タイツに白い仮面の雨穴さんが会見場に姿を現すと、取材陣もわきたった。

 司会による紹介のあと、まずは雨穴さんの英語によるスピーチが、いつもの「あの声」で行われた。

「はじめまして。雨穴です。正直、今とても緊張しています」と英語で挨拶した雨穴さん。その存在感とユニークな動きが会場の雰囲気を一気に和ませた。

 簡単な自己紹介のあと、自著『変な絵』について「私の本には変わった特徴があります。私の本を買ってくれる人の多くは、小学生も含んだ若い読者。若者は本を読まないと思われているので、日本の出版業界は驚いています」と語った雨穴さん。「なぜ若者に受けるのか」の理由として以下の3つのポイントをあげた。

 一つ目は「読みやすさ」。漫画やスマホゲームに慣れ親しんだ若者にはテキストだけが連なる本は難しく、『変な絵』のようにテキスト、テキスト、絵、テキストと複雑なトリックやストーリーのヒントを説明する図が多く入ったほうが漫画のようで読みやすいから(雨穴さんはこれを「マンガ風小説」と呼んでいるそうだ)。

 二つ目は「YouTube」。YouTuberとして活躍する雨穴さんは、新刊が出るたびにその本の第1章の内容を自分で演じた動画を投稿しているという。会見中、実際に『変な絵』の動画を会場で流したが、たしかに続きが知りたいと思わせる内容…あらゆる技術を駆使して面白さを自らの力で伝えること。多くの本は宣伝する担当が別に存在するが、そこを自力でやってしまうのが人気YouTuberである雨穴さんの強みでもある。

 そして三つ目は「本がとにかく怖い」こと。日本の若者の間ではホラーがブームだが、特に静かで不気味で、不安な気持ちにさせる物語が受けている。雨穴さんの小説の世界もまさにそうした「不安な物語」。時代と合っているということだ。

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