『変な絵』雨穴が語る、世界150万部突破の“3つの理由”。「漫画のように読みやすくし、YouTubeも活用。そして…」記者会見レポート

文芸・カルチャー

公開日:2025/2/4

「奇抜なコスチューム」に質問が集中

 最後に「現在、4冊目を執筆中」と明かしながら、世界で発売されることの喜びを語ってスピーチは終了。その後は質疑応答タイムへ。海外進出にあたり、質問が集中したのはやはり「奇抜なコスチューム」についてだった。

――(日本と海外で)カルチャーが違う中でも、現在のスタイルは続けますか?

雨穴さん(以下、雨穴):たしかに見た目は海外の方だけでなく日本の方から見てもだいぶ怖いと思います。ただ実感として、私を真似てコスプレしたり、イラストに描いてくれたりする子どもたちもいて、このビジュアルをすごく気に入ってくれてもいます。第一印象は怖くてビクッとすると思うんですが、慣れると親しんでもらえるのかなと楽観的に思っています。

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――作品ではなく注目が見た目に移ってしまうのでは? 顔を隠す理由がある?

雨穴:仮面を脱ぐと国民的大スターでもないと思います(笑)。見た目と書く内容が離れているというのは、自分でも以前から気になっていました。もしかしたらこういう作風を世の中に伝えるなら、もう少しまじめな格好がいいのかもと思ったりもしましたが、出版社の方に「帯に雨穴のビジュアルを使って以降、なぜか売り上げが伸びた」と言われたので、そのままでいいのかなと。面白風味ということで、一応、踊っておきます(笑)。

――日本のアーティストには、雨穴さんやAdoさんのように顔を見せないクリエイターやアーティストが増えているように思います。日本社会に何か原因はあると思いますか?

雨穴:個人のブランディングを大切にするがゆえに覆面で活動する人が多いんだと思います。あとは日本に限ったことではないかもしれませんが、有名になると道で会った人に危害を受けるなどの心配もあるので、顔を隠していたほうが安全に「日常生活」を送れるというのもあると思います。

 そのほか、日本の作家で影響を受けたのは、江戸川乱歩。海外の作品も好きで、最近はミステリーの『ザリガニの鳴くところ』(ディーリア・オーエンズ:著、友廣純:翻訳/早川書房)が面白かったと雨穴さん(音楽も好きで、ビートルズやストーンズのファンという一面も)。最後には「いつか遊園地のお化け屋敷を作ってみたい」との夢を語り、にこやかに(?)会見場を後にした。

取材・文=荒井理恵 撮影=島本絵梨佳

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