タイパ重視のZ世代にバズる秘訣とは? 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』をはじめ、ヒット続出! スターツ出版の次なる一手【インタビュー】

文芸・カルチャー

公開日:2025/3/28

読書を、SNSで発信したくなる体験に

──「若者の活字離れ」といいますが、SNSでは文字を読みますし、ホームルームの「朝読書」で読書習慣がついている方も多いと思います。中高大学生の読書傾向を、どうご覧になっていますか?

森上:先ほどもお話ししましたが、やっぱり読書にもエンタメ要素やタイパ要素は求められていると思います。短い時間でいかにして楽しめるかを、私たちも考えなければならないと思います。また、ある本を読んで「SNSで感想を言いたくなる」ようなとっかかりは必要不可欠。エンタメの選択肢が増える中、でも、友達に教えたくなるような作品の仕掛けさえあれば、若い方にも本を手に取ってもらえると思っています。

──読書を体験のひとつととらえ、SNSで発信したくなるような仕掛けを作ることが求められているのかもしれませんね。

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森上:そうですね。若い方ほど、感情を人に伝えることに恥ずかしさを感じると思うんです。今までの作品だと、感情を切り取ったタイトルやキャッチを打ち出してきましたが、本の仕掛けが立った作品は、仕掛けを体験として人に伝えやすいのなと。「アンチブルー」もそうですが、読書を体験として楽しんでもらえるものにできればと思います。

──今後はどのようなラインナップを検討していますか?

森上:ジャンルに関しては、恋愛ではなく、ミステリーやデスゲームといった要素のあるものが増えていくのではないかと思います。ぜひ楽しみにしてください。

──この記事を読む方に向けて、アピールしておきたいこと、伝えたいメッセージはありますか?

齊藤:「アンチブルー」というレーベル名ですが、ド王道の青春小説だと知っていただきたいです。読者の嗜好の移り変わりにともない、レーベル内レーベルを立ち上げるだけで、青春恋愛小説を諦めるつもりも、既存の読者を置いてきぼりにすることもありません。

 スターツ出版文庫と「アンチブルー」は、極端に言うと、光と闇のようになるといいなと思っています。闇があるから光が輝きますし、光があるから闇が際立つ、と言った存在にお互いがなると嬉しいです。「アンチブルー」によって、従来の青春恋愛小説の魅力がさらに際立つし、その逆も考えられます。ぜひ業界全体で、青春小説というジャンルを盛り上げていきたいです。

森上:従来のレーベル読者が、「アンチブルー」の小説を手に取ってどう感じるのか、デスゲームやミステリーを好む読者が「アンチブルー」を読んでどう思うのか、反響が楽しみです。創刊後も、読者の声を取り入れながら、新レーベルとして変化成長していければと思いますので、ご期待頂けたら嬉しいです。

取材・文=野本由起

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