「子どもにデリケートな問題を教える秀逸な絵本」菊田まりこのミリオンセラー絵本『いつでも会える』新装版発売
公開日:2025/4/3

ぼくには、だいすきで大切な人がいる――。1998年に刊行され、累計発行部数110万部超えのミリオンセラーを記録した絵本作家・菊田まりこ氏の『いつでも会える』。同作の新装版が、2025年4月3日にリリースされた。
絵本『いつでも会える』(白泉社)は、犬のシロと飼い主のみきちゃんを巡る物語。イタリアのボローニャで毎年春に開催される児童文学の見本市「ボローニャ国際児童図書展」の1999年度にてボローニャ児童賞・特別賞を受賞し、韓国語やドイツ語を始めとした外国語版もリリースされるなど世界中で愛され続けている作品だ。
物語の語り部はシロが務め、序盤ではみきちゃんと過ごす毎日が充実したものであることが語られていく。一緒に散歩したり、ご飯を食べたりと幸せな日々を送っていたシロとみきちゃん。しかしある日、みきちゃんがこの世を去ってしまう。
突然みきちゃんがいなくなってしまい、さみしい感情ばかりがシロに押し寄せる。いくら待っても、どこを探しても愛した飼い主はもういない。そんな中、シロはみきちゃんと再会する方法を発見する。「僕はシロ。みきちゃんにいつでもあえる」――。
大好きだったみきちゃんを亡くしたシロの心の移ろいを、シンプルながらもあたたかみのあるタッチで描いていく同作。児童向けの絵本としては珍しく死別というネガティブなテーマを扱っているが、それこそが世界中で高く評価される要因となっている。
余談だが、同作の中で“死”というワードは用いられていない。しかしシロの感情を通して、命には限りがあるということ、そして別れは突然やってくるということを、子どもにも分かりやすく伝えている。
物語が悲観的な結末ではない点にも、多くの読者が好感を抱いている模様。実際に「ボローニャ国際児童図書展」の審査員も、「子どもに死という非常にデリケートな問題を教えるためにも秀逸である」と称賛のコメントを寄せていた。
ちなみに今回リリースされた『いつでも会える』のほか、口下手なくまこちゃんと気の利くくまおくんによる不器用な恋の物語『君のためにできるコト』、空を飛ぶために頑張るひよこのヒヨスケが登場する『あの空を』、似た者同士のふたりのカエルのすれ違いを描いた『僕のとなりには』、うさぎの男の子と女の子によるほのぼのとしたラブストーリー『君はわらうかな』の4作品が新装版として連続刊行される予定だ。
いずれも「菊田まりこのハートフルシリーズ」として世に送り出された名作で、今でも根強い人気を誇っている。さらに2025年4月3日に発売された、雑誌『MOE2025年5月号』には、ハートフルシリーズ最新作「わたしのおそろい」が絵本付録についてくる。

© Mariko Kikuta/HAKUSENSHA
本当の仲間のしるしって何だろう? ミリオンセラー絵本『いつでも会える』につづくハートフルシリーズ最新作。ミーコには仲間がいます。でも、急に一人になることも…。「大丈夫」と自分に言い
聞かせるけど…? これを機に、菊田が描くあたたかくて優しい世界観に触れてみてはいかがだろうか?