「アンパンマン」作者・やなせたかしの感動作が復刊。怪物キラキラの退治に向かった兄弟は…。衝撃の結末がせつない名作絵本【新刊紹介】

文芸・カルチャー

公開日:2025/5/5

2025年度前期 連続テレビ小説『あんぱん』ヒロイン(主演)の今田美桜さんも

「やなせ先生の作品の中でいちばん好きです」という名作絵本。

令和7年度版中学道徳教科書にも全文掲載されます。

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▲ある高い山に、キラキラという怪物がすんでいました。

 キラキラをひと目見た人は、おそろしさのためにものも言えなくなるのです。

▲怪物キラキラがすむ山のふもとの村に、

 キルとキリという、勇ましい兄弟がいました。

▲ひとりでキラキラを退治しにむかった弟を追ったキルが見たものは……

やなせたかしの名作えほん キラキラ作・絵:やなせ たかし / フレーベル館

やなせたかしの名作えほん キラキラ

作・絵:やなせ たかし
出版社: フレーベル館

 
 
 
 
 
 

                        
みどころ

ひとめ見たものは、その恐ろしさのあまりものも言えなくなるという怪物キラキラ。
一体どんな姿をして、どんな悪さをするというのでしょう。

高い山に住んでいるキラキラを退治すると向かったのは、オビエ村の兄弟の暴れん坊の弟、キリ。
しかし一向に帰ってこないキリを心配した兄のキルは、周囲の反対を押し切って山に向かいます。
そびえ立つ山の頂でキルが見たのは、怪物キラキラと弟キル!弟を守りたい一心で弓をひくキルだったが・・・。

この後の思いもかけない展開は、読者の心に大きな衝撃を与えます。そして、人と人が理解し合うことの難しさを痛感することでしょう。それでも怪物キラキラ、兄弟キルとキリのやりとりは「本当の優しさ」「絆」について考えさせてくれるのです。

キンダーおはなしえほん1975年2月号初出となるこの作品の作者は、「アンパンマン」の作者としてお馴染みのやなせたかしさん。感動作、待望の復刊です。

やなせさんは子どもたちに対して、時に生きることの厳しさや切なさを赤裸々に描きます。
子どもたちは驚いたり、悲しんでしまうかもしれません。

それでも、子どもたちは「人と人との強い絆」について体で感じ取っていくはずです。
大人になっていく為に必要な「強さ」と「優しさ」。

絵本を通して伝えていく作者の覚悟を、親子で一緒に受け取っていきたいと思うのです。

本記事は「絵本ナビ」から転載しております

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