「鼻がこんなことに…⁉︎」ゾウのくにの王様の長すぎる鼻の先を探して、じいやが旅に出る。ユニークな何度でも楽しめる絵本【新刊紹介】

文芸・カルチャー

公開日:2025/5/15

「えっ、これ鼻? ああっ、鼻がこんなことに…!」大胆な展開で、ページを開いた瞬間から読者の心をわしづかみ! 最高に愉快な絵本の誕生です! 作者のしまだかほさんは、ユニークなお話作りで人気急上昇中!

ながい ながい おうさまの はなの はなし作・絵:しまだ かほ / Gakken

ながい ながい おうさまの はなの はなし

作・絵:しまだ かほ
出版社: Gakken

出版社からの内容紹介
ゾウのくにの王様の鼻はながーくて、長さも先がどうなっているのかも誰も知りません。

もちろん、王様本人も! 

そんなある日、じいやは王様に鼻の長さをはかることを頼まれました。

長ーい長ーい鼻の先は一体どこにあるのでしょう?

ゾウの町を越え、谷を越え、森を越えても、王様の鼻の先は見えてこず…!?

がんばれじいや!

王様の鼻の先にたどり着くまで…!!

【秘密!】
ページの端から端に渡っている王様の鼻。実はページをまたいで同じ位置でつながっています。

ページをぺらぺらめくって確認してみてくださいね!

世界でいちばん鼻が長くて、やさしい王さま。

ある日、王さまの鼻の長さを測ることになった、じいや。

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それは、長い長い旅の始まり。

鼻の先にはいったい何が待っている?!

「鼻が長い王さま」と聞いて、「あ、ゾウさんね?」と安直に考えてしまっているあなた。

きっと2ページ目から「すみませんでした!」と謝りたくなることでしょう。なぜって……。

▲『ながい ながい おうさまの はなの はなし』中面

見てください! ちょっとやそっとの長さではないのです、この鼻。想像の上の上の上をいく、度肝を抜く長さなのです! よく見ると小さな“コロ”が鼻を支えていますね。ということは……? 想像をかきたてる細かい描き込みで、絵の中にたくさん発見があり、会話が弾みます!

▲『ながい ながい おうさまの はなの はなし』中面を途中までつなげたところ

鼻はページをまたいで、どこまでもどこまでも続きます。絵もこのとおり、ほとんどのページがつながるように描かれています。じいやが、ひとりぶん、ふたりぶん、さんにんぶん……4,500にんぶん……。街を越え、海を越え、砂漠を越え、じいやのカウントも続きます。どんな苦難にも負けません。

▲『ながい ながい おうさまの はなの はなし』ホームページのキャラクター紹介より

このお話のもう一つの面白さは、隠れキャラの発見。個性たっぷりで表情豊かな仲間たちが、紙面のあちこちに描かれていますから、見つけてみてください。「あ、ここにもいた!」「もしかして、◯◯してるのかな?」と、脇役たちのストーリーも想像しながら読むと、楽しさも倍増(ゾウ)です!

▲『ながい ながい おうさまの はなの はなし』中面

さあ、旅も終わりが近づいてきました。なんと、鼻の先にいたのは……となりの国のおひめさま! ずっと王さまの鼻だと思って、じいやとともにここまできた読者は、この大どんでん返しにびっくりです。「鼻をつないであいさつをしていたのよ!」という、おひめさまの言葉を聞いたら、じいやでなくとも気になります。「いったいどこで?」

▲『ながい ながい おうさまの はなの はなし』鼻のつなぎ目を発見するシーン! 感動……!!

引き返して鼻と鼻のつなぎ目を見つけ、感涙にむせぶじいや。しかし、ここで読者はもう一つの難問にぶち当たります。「これは、絵本の中のどこ?」。いたずら好きの作者のことですから、絶対にどこかにつなぎめが描いてあったはず。もちろん答えは、じいやも教えてくれません。この絵からヒントを得て、ページを戻り、探してみましょう。

1冊で見どころたくさん、楽しみどころたくさん、何度でも読みたくなる絵本です!

作者のしまだかほさんは、すでに幼稚園・保育園・こども園などで直接販売されている絵本雑誌で、たくさんの作品を発表されている実力派。ユニークな発想と、優しい色合いのかわいい絵柄が好評で、市販では本作がデビュー作となります。これから人気急上昇の予感たっぷりの注目作家による記念すべき第1作目、ぜひ手に取ってみてください!

ながい ながい おうさまの はなの はなし作・絵:しまだ かほ / Gakken

ながい ながい おうさまの はなの はなし

作・絵:しまだ かほ
出版社: Gakken

本記事は「絵本ナビ」から転載しております

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