「20作品余りを並行して進めている」児童文学作家・くすのきしげのり新作『だいじょうぶかな さんかんび』誕生背景と製作の裏側【インタビュー】

文芸・カルチャー

公開日:2025/6/7

くすのきしげのりさんに『だいじょうぶかな さんかんび』についてや、先生ご自身についてお聞きしました!

ーーお話ができたきっかけを教えてください。

このお話は、小学校に行きたいクマの子とサルの子が、タヌキのだいごろうじいさんに術をかけてもらって1年生になる『だいじょうぶかな いちねんせい』シリーズの最新作です。二人にとって、初めての学校生活は、人間の子どもたち以上に驚くことやワクワクすることがいっぱいです。編集者との話の中で、1年生の一年間のいろいろな場面を通して(今回は初めての参観日です)、その中での心の動きを描くことによって、これから一年生になる子どもたち、「だいじょうぶかな?」と思っている子どもたちはもちろん、今一年生の子どもたちにも、一年生だった子どもたちにも、初めてのことに出会うクマの子とサルの子の初々しい心の動きに共感しながら、楽しんで読んでもらえる作品を作ろうと思いました。

ーー一番のこだわりポイントやお話の中のお気に入りシーンはどこですか?

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作品の中では、毎回、学校生活を送る中でのクマの子とサルの子の新鮮な驚きはもちろん、だいすけ君やゆきちゃんといった仲良しの友達や、担任の白鳥ちひろ先生とのかかわりがあります。そして、だいごろうじいさんにかけてもらった術は、二人が同時にクシャミをしてしまうとその場で解けてしまうのですが、どの作品にも思わず二人が同時にクシャミをしそうになるピンチがあります。どうやってそのピンチを切り抜けるかも見どころに一つです。

今回は初めての参観日ですが、それはクマの子とサルの子はもちろん、お父さんやお母さんたちにとっても初めての参観日です。「お父さんもあてられるのかな」「どうしよう」クマの子とサルの子のお父さんやお母さんもドキドキしながらの授業参観です。初めての参観日にがんばる二人の様子、ピンチを切り抜ける様子、そして楽しいクラスのみんなの笑顔をお楽しみください

ーー創作中に大切にしていることや、こだわりのものや場所があればおしえてください。

現在20作品余りを並行して進めています。そのため、一日のうちでも作品ごとの進み具合に合わせて、集中する時間をとったりしばらく寝かせておいたりと臨機応変に時間配分をするようにしています。

仕事の合間には、気分転換として庭づくり(本格的な造園から芝刈りまで)の作業をしたり、遠くに見える「眉山」や、近くに巣をつくっているコウノトリを眺めたりしています。

ーー読者の方にメッセージをお願いいたします。

もしかすると、どこかの1年生の教室にクマの子とサルの子がいるかもしれません。

やっと1年生になったクマの子とサルの子は、初めてのことに驚いたり戸惑ったりしながらも、友達や先生といっしょに楽しい学校生活を送っています。

そんな二人をこれからもぜひ応援してください。

「さんかんび」ってなあに?

だいじょうぶかな さんかんび
だいじょうぶかな さんかんび作:くすのき しげのり 絵:うめだ ちづる / ひかりのくに

だいじょうぶかな さんかんび

作:くすのき しげのり
絵:うめだ ちづる
出版社: ひかりのくに

出版社からの内容紹介
人間に化けて小学校にかよう
クマのつよしくんと
サルのしずかちゃんは
はじめてきいた「参観日」に戸惑いを隠せません

その日の夜にはクマの一家とサルの一家で
焚き火を囲んで会議です
「お父さんやお母さんは見てるだけでいいのかしら」
「先生にあてられたらどうしよう」
と大騒ぎ

ドキドキわくわくの中、授業参観をむかえます
授業のテーマは「じぶんのいいところや とくいなこと」
しずかちゃんは木登り
つよしくんはハチミツさがし
おやおや?
なんだかクラスメイトとおはなしがチグハグに

クマとサルの一家の戸惑いとほがらかさが愉快で
不安なんてふっとぶ楽しいおはなしです

わくわく一年生におくるシリーズ第3弾

本記事は「絵本ナビ」から転載しております

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