雨が楽しくなる絵本【2025年5月・新刊&おすすめ絵本】
公開日:2025/5/31

あぁー、今日は雨かぁ。窓の外を見てがっかり。お散歩やピクニックにレジャー、お楽しみはキャンセル。空をおおう雨雲を見上げてはやみそうもない雨にまた、ため息。あーぁ、雨の日なんてつまらない!
お天気ばかりはどうしたってコントロールできませんが、気は持ちようです。雨がテーマの楽しい絵本を開いてみたら……?
外は雨、退屈しているピートにお父さんが誘ったのはピザ作り。こねて、のばしている生地はピート?!『ピッツァぼうや』をまねて、誰かのピザを作ってみては!大きな水たまりをのぞいたら、大変、動物たちが落っこちてる!『みずたまり』はカラフルなイラスト、ウィットあふれる展開に釘付け。「あなにおちたよ あいたたた」谷川俊太郎さん、まどみちおさん、工藤直子さんなど57篇の詩のアンソロジー『しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩』は声に出して読めば楽しさが増し増し!飯野 和好さんの絵も味わい深い一冊です。
同じく雨の日を過ごす登場人物たちに笑ったりキュンとしたり、ほっこりしたり、そうしている間に心はすっかり晴れ模様。雨降りだって悪くないものです、そう、楽しまなくっちゃ!
外は雨、退屈なピートにお父さんが誘ったのはピッツァ作り。こねて伸ばして具を載せる生地は……ピート?!『ピッツァぼうや』親子遊びにもぴったり

ピッツァぼうや
作:ウィリアム・スタイグ
訳:木坂 涼
出版社: 好学社
出版社からの内容紹介
そとは雨。ピートはたいくつで、つまりません。
そこでおとうさんは、ピートでピッツァを作ることを思いつきました。
ピートのピザ生地をこねて、のばして、ぐをのせて……。絵本を読んだら、すぐにこのピザあそびがやりたくなっちゃうことまちがいなし!
旅の約束をしていたのに雨。諦めるりすを、喜んで迎えに来たかえる。雨の中、船をこぎ出すと??日々の小さな幸せに気づく『りすとかえるのあめのたび』

りすとかえるのあめのたび
作:うえだまこと
出版社: BL出版
出版社からの内容紹介
りすとかえるは、旅をする約束をしていましたが、りすはこんな雨ふりじゃ旅にはいけないと思っていました。ところが…「雨の日って素敵だね! こんないい日に旅にいけるなんて!」とかえるがりすをよびにきたのです。…雨の中、舟を出すふたり。なにげない1日が愛おしくなる、りすとかえるの雨の日のおはなし。
雨が降って大喜びの池のマンションの仲間たち。みんなで出かけたサーカス小屋では出演する動物たちが雨にうんざりしていて……『あめふりサーカスざんざんざん』

あめふりサーカスざんざんざん
作・絵:井上 コトリ
出版社: ひさかたチャイルド
出版社からの内容紹介
雨が降る時季におすすめの絵本
梅雨入りの知らせに、池のマンションの仲間たちは大喜び。
雨が降りだして、池のマンションの仲間たちが水中から陸に上がってきました。
雨で体が濡れている間は、どこへでも遊びに行けるのです。みんなが向かったのはサーカスのテント小屋でした。
中をのぞくと、雨漏りで出演する動物たちがうんざり。
そこで、池の仲間たちが代わりに出ることになりましたが…
ざんざん降りのサーカスは、みんなの活躍で拍手喝采。
雨はもうすぐやみそうです。
雨の一日を軽快に描きだすキュートなイラストも魅力の、想像力がふくらむ絵本です。
大変、水の中に落っこちてる!水たまりに映る自分の姿に動物たちが大さわぎ『みずたまり』カラフルなイラストやウィットのきいた展開もみどころ

みずたまり
作:アデレイド・ホール
絵:ロジャー・デュボアザン
訳:こみや ゆう
出版社: 好学社
みどころ
スイス生まれの絵本作家、デュボアザン描く、カラフルな動物たちの姿が楽しい絵本です。
ある日、一羽のめんどりが機嫌よく庭で餌をつついていると、ちょうど近くに大きなみずたまりが広がっていました。
めんどりはみずたまりをのぞきこみ……「コケーッ! まあ、たいへん! かわいいめんどりが、みずのなかにおっこちてるわ!」
あわてためんどりは、納屋のそばでとうもろこしを食べている七面鳥に知らせます。
走って見に行った七面鳥は「ちがう! おっこちてるのは、かわいいめんどりなんかじゃない。おおきなりっぱなしちめんちょうだ!」
さあ、今度は、七面鳥の話を聞いたぶたがよたよたやってきます。
ぶたもまた、みずたまりをのぞきこみ……。
だんだん動物は増えて、上を下への大騒ぎ。いったいどうなっちゃうの!?
横長の画面(右片面)いっぱいに描かれた構図が魅力的。
白い大きなみずたまりに次々動物たちが顔をのぞかせ、「たいへんだ!」「(自分とおなじ動物が)おっこちてる」「たすけてあげなきゃ!」と思い込みます。
左から、右からと、それぞれやってきてのぞきこみ、その後の右往左往ぶり、大さわぎぶりといったら!
解決してそれぞれに去っていく姿もチャーミングです。
そしてまた動物たちのなきごえが楽しいこと!
「コケーッ!」「クルクルッ」「フゴ、フゴ! ブヒ、ブヒ!」と声に出して読んでみれば、そのおもしろさがきっと子どもをとらえること間違いなし。
(ちなみにわが家の3歳の男の子は「ブタがすき!」だそう)
文を書いたのはアデレイド・ホール。原書が出版されたのは1965年だそうですが、じつに構成がたくみで、あざやか。
おはなし会で重宝しそうな1冊です。
絵を描いたデュボアザンの魅力もあいまって、のどかな農場の風景の中に、あかるい幸福感が感じられます。
自然のふしぎさや、生きているおもしろさがさりげなく伝わってくるハッピーな世界観、子ども時代にぜひ味わってもらいたい一冊です。
お庭で見つけたカタツムリ、一緒に見たいママは妹とお昼寝中。拗ねたまーくんを雨が包みこみ……揺れる子ども心に寄り添う絵本『まーくんのあめのひ』

まーくんのあめのひ
作:みかみ えみ
出版社: 日本標準
みどころ
お庭でかたつむりを見つけたまーくん。ママに見せようと思ったのに、ママは妹とお昼寝中。いくら呼んでも「うーん」と言ったきり。
「ママなんか きらい」
すねてしまったまーくんが一人でお庭にすわっていると、ぽつんぽつん、サァーと雨が降ってきた! まーくんはパパの大きな傘を持ってきて……。
なんでもないような、でもまーくんにとっては長い午後。妹にかまってばかりで相手にしてくれないママ、大きな傘の下で一人雨の音を聞くまーくん、そのうちにザーザー降りになってくると、いつの間にか横にママ。天気の移り変わりと一緒にまーくんの気持ちも揺れ動きます。色鉛筆で丁寧に描かれたお庭の木々や花壇、雨に濡れてしっとりと輝き出すあじさいの花に小さなかたつむり。そんな風景が優しくまーくんを包み込みます。
「ねえ、ママ」
やがて雨もやんできて、二人ともにっこり。
よかったね、まーくん。
外は雨、バス停までお母さんを迎えに行くことにしたさあちゃんとゆうちゃん。雨の日のワクワクドキドキをかこさとしさんが描く『あめのひの おはなし』

あめのひの おはなし
作・絵:かこ さとし
出版社: 小峰書店
出版社からの内容紹介
あめのひに,おかあさんをむかえにいった,さあちゃんとゆうちゃんは,かえるちゃんたちと……。
お母さんの誕生日に贈る絵をうまく描けないローズ。絵になるものを探すため、妖精マルクと街へ!ファンタジックで彩り豊かな一冊『マルクのふしぎなかさ』

マルクのふしぎなかさ
作:松本 猛
絵:たなか鮎子
出版社: 徳間書店
出版社からの内容紹介
ローズは絵を描くのがだいすき。
おかあさんのたんじょうびに、
絵をプレゼントすると約束していたのに、
なかなかうまく描けません。
夜が明ける前から目がさめて、
外をながめていると、
小さな男の子マルクが空を飛んでやってきました。
「ぼく、マルク。いっしょに
絵になるものをさがしにいこう」
ふたりは、町をとびまわり、
噴水にのぼったり、塔にかけあがったり…。
ふたりのあとを、ネコやおもちゃの王さま、
人魚や兵隊がついてきます…。
ドイツの美しい古都を思わせる街を
楽しく遊びまわるローズとマルク。
ファンタジックなイメージの広がる
色彩豊かな絵本です。
黄色いレインコート、長靴に傘。今か今かと待ちわびる雨、まだかな?今日は降らないかな……やさしい気持ちに包まれる韓国の絵本『ふるかな ふるかな?』

ふるかな ふるかな?
作:キム・ジョンソン
訳:せな あいこ
出版社: 評論社
出版社からの内容紹介
黄色いレインコート、黄色い長靴に黄色い傘をもって、女の子は愛犬といっしょに雨がふるのを待ちわびています。ふるかな? もうふってくるかな? まだかな? きょうはふらないのかな。……あきらめかけたとき、ぴとっ! と雨粒が。大喜びで、雨の中ではしゃぐ女の子とわんちゃん。ぴとん、ぴちゃんという雨の音にまで聞きほれます。でも、この雨、実はね……というオチが最後のページで明かされます。やさしい気持ちでいっぱいになる、愛らしい韓国の絵本。
声に出して読むと楽しい!谷川俊太郎さん、まどみちおさん、工藤直子さんなど57篇の詩に飯野和好さんの絵が利いたアンソロジー 『しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩』

しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩
作:はせみつこ
絵:飯野 和好
出版社: 冨山房
出版社からの内容紹介
言葉遊びの達人が豊かな経験に基づいて選んだ、とびきり楽しい詩のアンソロジー。 谷川俊太郎、まどみちお、工藤直子、川崎洋など、言葉使いの名人による詩が57篇。 思わず声に出して遊んでみたくなります。発売以来大好評。
