「世界第二位」の強みを生かした書籍発売戦略! ミステリー&文芸好き注目の「ハーパーBOOKS+」作家のトーク&サイン会に潜入!《イベントレポート》

文芸・カルチャー

PR 公開日:2025/6/11

続編はある? 気になる質問も

 そのほか「執筆活動のマストアイテム」(お二人が写真で紹介)、「執筆のスタイル」(共通の悩みは「腰痛」だった)、「作家の職業病」(不幸がネタになると意気投合)、「作家を目指す方への一言」(とにかく「書くこと」!)など話題は多岐に及び、飾らないお二人の素直な受け答えが印象的だった。さらに著書『人生写真館の奇跡』(宝島社)が世界29カ国で刊行予定であることについての思いを柊さんに聞き、三日市さんには「脱出ゲーム」のさらにディープな話を聞いたところで本編終了。

 以降は、事前に集めておいた来場者からの質問コーナーとなった。「図書館の思い出」や「ミステリーを書く時は結論が見えている?」「自分の本を作るなら装丁は?」などの質問もあったが、やはり気になるのは次にどんなものを書いていくのか。

――何を書いてもいいですよと言われたら、どんな作品を書きたい?

:『人生写真館の奇跡』のときに、海外エージェントに「どんな日本の本がこれから来ますか?」と聞いたら、「ちょっと不思議。でもファンタジーになりすぎない。ほっこり。ちょっと泣けて、最後に読後感がいいもの。そして猫」と言われたんです。私は好きなもの書いていいって言われると、大体本筋から外れるので、猫とか言われても絶対出すもんかって思っちゃう。今回は黒猫でしたけど、話しかけてきたのがミドリガメでもいいし、深海魚でもいいと思ったんです。すると編集者さんに「猫にしましょう」と言われました(笑)。

三日市:まだちょっと書いてきた数が多くないので、本当にいろんなことをやってみたいです。実際、柊先生のような少し不思議でもファンタジーに寄りすぎないのも書いてみたい気持ちもありますし、ガッツリ特殊設定みたいなやつとかも書いてみたいですね。

――続編はありますか?

:書きたいですけど、でもこれはこれで閉じたので、これと似た感じの作品をまたちょっと書きたいですね。それこそ亀とかでもいいですし。

三日市:主人公の二人が遊んでばっかりで卒業できるのかという感じですけれど、状況が許せば書きたいなとは思っております。舞台はわかりませんが。この二人があーだこーだ推理していく姿を描けたらいいなとは思っています。

 ほのかに今後に期待をもたせてくれたところで、「普段は陰気に暮らしているものなんですが、皆さんこうやって聞いていただいて、なんか本当に温かい反応をしてくださっていて、本当に話しやすかったです」(柊さん)、「普段あんまりこうやってお話をする機会がないので、最初はすごく緊張しましたが、自分の好きなもののオタクトークもさせていただけて楽しかったです」(三日市さん)と、にこやかに最後の挨拶をするお二人。温かな拍手の中でトークは終了し、サイン会へと続いていった。

取材・文=荒井理恵

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