『千と千尋の神隠し』に出てくるあの料理を作ってみた! 長い夏休みに親子で挑戦したい“ジブリごはん”【書評】

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公開日:2025/8/15

子どもりょうり絵本 ジブリの食卓 千と千尋の神隠し
子どもりょうり絵本 ジブリの食卓 千と千尋の神隠し(スタジオジブリ:監修、主婦の友社:編/主婦の友社)

 今年も長い夏休みがスタート。子どもが午前中から繰り出す「何したらいい?」攻撃に辟易している方も多いのではないでしょうか? 暑すぎて公園にもいられず、結局ゲームとYouTubeばかりの日々になるのではと母は恐れています……。そこで手に取ったのが『子どもりょうり絵本 ジブリの食卓 千と千尋の神隠し』(スタジオジブリ:監修、主婦の友社:編/主婦の友社)です。「子どもりょうり絵本 ジブリの食卓」シリーズもついに5冊目。映画『千と千尋の神隠し』に登場する料理や作品の世界観にインスピレーションを受けたオリジナルの料理を、小学生くらいの子どもと一緒に作れるように丁寧に紹介した1冊です。

 我が家は小3男子と小1男子のふたり兄弟。実はそれぞれが幼稚園の時に『千と千尋の神隠し』を観ようとしたことがあったのですが、両親が豚になったのがショックだったようで先に進めず……。しかし、改めて観てみたら、カオナシ(変身後)におびえつつも無事観終わることができました。本作には絵本としてお話も載っているので、映像はまだ怖い……というお子さんでも大丈夫! お話の世界を楽しむことができます。

ⓒ2001 Hayao Miyazaki /Studio Ghibli, NDDTM
ⓒ2001 Hayao Miyazaki /Studio Ghibli, NDDTM

 
 本作には千尋の両親を豚に変えてしまった「お母さんが食べたとり料理」「お父さんが食べた不思議なたべもの」や「ハクのおにぎり」など印象的な料理が勢ぞろい。子どもたちの大好物である「リンがくれたあんまん」と本作のオリジナルレシピである「イモリの黒焼きクッキー」に挑戦しました。

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リンがくれたあんまん

ⓒ2001 Hayao Miyazaki /Studio Ghibli, NDDTM
ⓒ2001 Hayao Miyazaki /Studio Ghibli, NDDTM

 まずは「リンがくれたあんまん」から。あんまんどころかパンも作ったことがないふたり。薄力粉や強力粉などすべての粉をふるったところにぬるま湯にとかしたドライイーストを入れてまぜ、ごま油を加えてこねていくのですが、生地をこねる時点で「うえぇー、べちょべちょ」と若干引き気味……。しかしだんだんと形を変えていくのが面白いのか次第に前のめりに。しまいには「○○の方が多くやった!」と揉め始めたので生地をふたつにわけて進行しました……。「(生地が)かたいようなら水少々を加える」とありましたが、我が家の場合はほんの少しの水を2回加えて、いい感じにまとまりました。

 生地がまとまったら30分~1時間ほどおいて発酵させるので、その間に夏休みの宿題を。いつもはなかなか始まらないのに、「発酵終わっちゃうよ」と言ったら急いで取り組んでいました。ありがとう! あんまん!

 1時間おいたら生地は1.5倍以上の大きさに。子どもたちも「すげー!」と目を輝かせていました。

 ここからは生地を3等分するのでひとり1つで仲良く作業。あんを包む作業は私も初めてでしたが、意外と簡単。小1次男もひとりでできました。

 蒸し器から取り出したら、また大きくなってる……! 手作りでできたてのあんまん、まず皮が美味しい! そして食べ応えがすごい! 正直お腹はあんまり満たされないかな?と思っていましたが大間違い。お腹いっぱいになりました。

イモリの黒焼きクッキー

 お次は「イモリの黒焼きクッキー」に挑戦。こちらはリンや蛙男たちの大好物「イモリの黒焼き」にちなんだクッキーです。クッキーは何度か作ったことがあったので、こちらは生地作りから型抜きまでふたりだけで作業。私はテーブルにも床にも飛び散っていく粉を時々ふきつつ、見守るだけ。

 ちなみに私には絵心がないため、イモリに似た形の型を購入。しかし子どもと一緒にイモリを描いて、それを型にしても楽しめそうだなと思いました。

 無事クッキーが完成したらアイシングに挑戦! つやつやになってさらにリアルさを増したイモリに「うわぁ……」と微妙な反応を見せつつも完成しました。

 ちなみにチョコレート大好き次男は完成を待てずにアイシング前に試食していたのですが、甘さ控えめで食べやすいお味。アイシング後は甘みとレモンの爽やかさが加わって、大人も子どもも満足できる味わいです。

 本書には他にもたくさんのレシピが載っていたのですが、夏休み中お米研ぎ担当になった長男は「ハクがくれたおにぎり」に載っていた美味しいお米の研ぎ方を熟読。「最近は精米技術が上がっているから力を入れて研がずにつまむ」という私も知らなかった情報を手に入れていました。「学童に持っていくお弁当に、おにぎりを自分で握ってくれるかな」という淡い期待がよぎります(笑)。

 ふたりは「釜爺の天丼」も気になるとのこと。本書は小学生でも作れるくらい丁寧なレシピ、ということでパパでも作れるはず! 夏休み後半はパパと一緒に挑戦してもらおうと思います。

調理・撮影・文=原智香

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