尋常じゃない数の忘れ物、コミュニケーションでの悩み…「発達障害」の特性に、どう対処してる?【著者インタビュー】
公開日:2025/10/28

近年、大人になってから、発達障害の診断を受けたという人が増えているという。『家族から放置されて発達障害に気づかないまま大人になりました』(ネコゼ:著、モンズースー:漫画/KADOKAWA)の著者・ネコゼさんもそのひとりだ。
本書は、幼いころ家族からネグレクトや精神的虐待を受け、強迫性障害に苦しんできた著者が、大人になってから発達障害と診断された実体験を描いたコミックエッセイ。強迫性障害当事者、発達障害当事者のみならず、家族の呪縛に悩む人からも共感されている1冊だ。
ネコゼさんは自身の障害とどのように向き合ってきたのか。そして、自身の過去をどのように捉えているのか。お話を伺った。
※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。
――ネコゼさんは、発達障害のどのような症状に悩んでいるのでしょうか。
ネコゼさん(以下、ネコゼ):現在は服薬と自分なりの工夫で結構改善してはいますが、物事の優先順位の立て方はやっぱり苦手です。あとは、話が下手なのに話しすぎてしまったり、言葉を言葉のまま理解してしまったり、「察する」ということができないことにも悩んでいます。
――特にコミュニケーション面で悩みを感じることが多いとのことですが、もし、気をつけていることがあれば教えてください。
ネコゼ:自分で「何を話そう」「どこまでにしよう」ということを考えて、しゃべり続けないように、自分の中で止めるように意識しています。
――その他にも、きっと多くの困りごとがあるかと思います。本書でも発達障害に対するさまざまな対処法が記載されていますが、日常で行っている工夫についても是非教えてください。
ネコゼ:私は忘れ物の数が尋常じゃないのですが、出先で必要なものをすべてカバンに入れておくようにして、どうにか忘れないようにしています。バッグインバッグを使ったり、カバンや目につきやすいところに付箋で必要なものを書いたりして。
あとは時間を守れないことも多いので、とにかくアラームですね。何か予定があるたびにアラームを鳴らすようにして、なるべく早め早めの行動を心がけています。
取材・文=アサトーミナミ
