「時間」という概念を、文とイラストでわかりやすく解き明かした絵本『じかんはともだち』著者・てづかあけみ氏インタビュー
公開日:2025/11/1

私たちの毎日に必ずついてくる「時間」という概念。1秒、1分、1時間、1日……でも、いったい時間ってなんでしょうか? 『じかんはともだち』は子どもに聞かれても言葉ではなかなか説明ができない「時間」について、文とイラストでわかりやすく解き明かした絵本。てづかさんに本書についてお話を伺いました!

じかんはともだち
作:てづか あけみ
出版社: 偕成社
出版社からの内容紹介
いまは3じ。ところで、3じってなんだろう?
8時までに出かける準備をして、12時にお昼ごはんをたべて…でも、いったい時間ってなに? 1秒、1分、1時間、1日。時間についている名前のこと、地球上にあるいろいろな時間、生きものによってもちがう時間。
でも、いろいろあっても時間は自分だけのもの。自分だけの時間、自分だけの今日を思いっきり楽しもう!
時間のことについて考える絵本。
「時間」はてづかさんのなかで長くあたためられていたテーマと伺いました。
きっかけは編集さんからテーマをいただいたことですが、以前から「時間」を表現するイメージはさまざま浮かんでいたので、まさに渡りに船でした。
口で説明するのはとても難しい「時間」という感覚がとてもわかりやすく描かれていて、さらに、時差や生き物によって異なる時間にまでふれられているのがすごいですね。構成はどうやって考えられたのでしょうか?
「時間」とひとくちにいっても、本当にいろいろな種類の切り口がありますよね。いろんな案を出しましたが、最終的に伝えやすく全体の構成を整えてくれたのは編集さんです。

ただ冒頭の「川の流れで時間の流れを表す」イメージには思い入れがあって、ここは最初に提出したラフからありました。
自宅から川が見えるせいもあるのですが、学生の頃、少しだけ野宿をしながら川をボートで下った夏休みの体験があり、流れを読む感じ、オールを使うポイントなどを感覚として覚えています。同じ川でも端っこと真ん中ではスピードが全然違っていたり、川の上では急に進路変更ができなかったりとか。

今回「オール」については文にはしていないのですが、オールを使うタイミングは、時間という川の流れと仲良くするコツだと思っています。「オール」は、個人個人の感覚「アンテナ」みたいなものかもしれません。この流れどうかな?? と違和感をおぼえたら、オールを使って流れを変えると、1か月後、半年後、1年後、大きくかわっているかもしれません。
あと「1秒」を表す表現は自分の小さな発見でした。パン!と手をたたいてひらく。これで1秒。思いついてカウントしていったら何度やっても 10秒、30秒、60秒が割と正確にとらえられるんです。頭だけで数えると結構ズレる。体の動きを加えると把握しやすいんですね。

