白間美瑠「お風呂のシーンは妄想を膨らませながら撮影」28歳の自然な色気を発揮した最新写真集『MERCI』【インタビュー】

文芸・カルチャー

公開日:2025/11/14

 28歳の今、最新写真集『MERCI』(秋田書店)で「美しさやカッコよさ、強さ」を出せたと胸を張るのは、元NMB48の白間美瑠だ。写真集出版は、約2年半ぶり。その過程では韓国のオーディション番組『QUEENDOM PUZZLE』へ参加するなど、いくつもの「挑戦」があった。グループ時代と変わらぬ笑顔で常に「全力」な人生を歩む彼女に、写真集の撮影秘話やオーディション番組当時の思いなどを聞いた。

■自分の強さを惜しみなく出した最新写真集では「妄想」もふくらませて

――インタビュー中に、カメラマンさんが「かわいい」と繰り返していました。28歳となった今「かわいい」と「きれい」では、どちらがうれしいですか?

白間美瑠さん(以下、白間):今は「かわいい」と言われる方がうれしいかもしれません。昔から「きれい」と言ってくださる方もいるんですけど、怖さの裏返しかなと思うんです。相手の目をまっすぐ見てしまうのもあり、初対面の方に「怖い」と言われるときもあって。「きれい」と言われるときはクールに、「かわいい」と言われるときは若々しく見られているのかなと思います。でも、褒め言葉はどれもうれしいです(笑)。

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――(笑)。約2年半ぶりの出版で4作目となった最新写真集『MERCI』では、どちらの自分を表現できたのでしょう?

白間:きれいな私、かな。美しさやカッコよさ、強さが出ていると思います。先日亡くなった父が生前、私は根性があるし「アイドルの美瑠はかわいいけど、本来はもっと勇ましい」と常に褒めてくれたんです。そんな内面が写真集での表情にも出ていますし、全体として芯のある女性像を意識しました。

――数あるカットの中で、強さを感じられるカットを選ぶとしたら?

白間:黒い水着で髪をかき上げているカットです。カメラマンさんが下からのアングルで撮ってくださって、私も見下ろすような目線を向けています。何かの物語の主人公のような気分でしたけど、夕暮れどきで気温もだいぶ下がった状態での撮影だったので「寒さに負けないぞ!」という気持ちも、表情にあらわれていると思います。

――何かの物語の主人公のような……とありましたが、各シーンでは「こう演じる」という意識もあったんですか?

白間:ありました。例えば、ベッド上での撮影では少し照れくさい雰囲気を出したくて「見ないでよ……」と、相手に対する恥ずかしさを意識して。お風呂でのシーンとかも、妄想をふくらませながら撮影していました(笑)。

――(笑)。撮影中に限らず、随所には白間さんならではのこだわりも反映されているのでしょうか?

白間:髪型やメイクも細かく提案させていただいて、カットによってはそばかすを描いてみたり、レースの花びらの衣装で身体を隠したりと、たくさんの試行錯誤があったんです。ボディラインをいかに美しく見せられるかは自分にとっての挑戦で、作り込んだセクシーさではなく、28歳の今だからこそ自然な色気を出せました。

■パフォーマンスが「好き」という気持ちを確かめるためオーディション番組へ

――前作『Aventure』(集英社)の出版から約2年半の間、様々な活動がありました。なかでも、2023年に参加した韓国のサバイバルオーディション番組『QUEENDOM PUZZLE』への挑戦は、大きな転機だったと思います。

白間:そうですね。NMB48時代にも韓国のオーディション番組『PRODUCE48』へ参加した経験があって、当時得たものが多かったので、卒業後に再び挑もうと思ったんです。自分の中でまだやれることがあると思ったし、努力の仕方をもう一度見つめようと思ったのが挑戦した動機です。ステージでのパフォーマンスが「好き」という気持ちも確かめたくて、成長のためにと思って参加しました。

――グループ時代にオーディション番組へ参加した当時とは異なる苦労もあったのではないでしょうか?

白間:以前の『PRODUCE48』では同じグループの仲間もいたけど、『QUEENDOM PUZZLE』は一人きりの参加だったし、レベルの高い出演者の中で自分がどう立ち向かえるのか想像できなかったんです。でも、励ましてくれる友だちに支えられていました。デビュー経験のあるガールズグループのメンバーが参加していたし、パフォーマンスのレベルが想像していたよりも高くて。韓国語の壁もあったし、言葉が通じない環境でも自分から「教えてください」とお願いして、乗り越えられました。

――結果は、ファイナルステージ目前で惜しくも脱落。悔しさも相当大きかったのかと思います。

白間:ファイナルへ進みたかったので、悔しかったですね。でも、挑戦によって得たものもたくさんあったし、新たに応援してくださるファンのみなさんにも出会えたんです。悔しかった気持ちもすぐに切り替えられて、ファイナルには48グループで一緒だった高橋朱里ちゃんもいたので、応援していました。

――また、海外でのオーディションに参加する機会があったら挑戦したいですか?

白間:やってみたいです。体力はちょっと心配なんですけど……(笑)。刺激になるし成長のきっかけになるのは分かっているので、チャンスが巡ってくるなら飛び込んでみたいです。

■年に一度は「ビックリするようなことを」挑戦は自身のキーワードに

――2024年には、俳優の永田崇人さんと共演した結婚モキュメンタリー番組『私たち結婚しました5』に出演しました。

白間:恋愛している姿をファンのみなさんが見る初めての機会だったと思います。放送前は「どんな反応がくるんだろう」とドキドキしていたんです。女性ファンの方は「新しい一面が見られてよかった」と喜んでくださって、男性ファンの方が「嫉妬しちゃう」と言ってくださったのも面白かったです(笑)。男性と過ごしてみると「自分って、こんな表情をするんだ」という発見もあって。NMB48時代は恋愛を匂わせるのはタブーでしたけど、卒業後は自由に表現していいかもしれないと思って、挑戦したお仕事でした。

――いずれの活動も「挑戦」が、白間さんのキーワードになっているんですね。

白間:年に一度は「何か、ファンのみなさんがビックリするようなことをしたい」と思っているんです。応援してくださる方々に驚いていただけると、私自身もワクワクするし、新たな刺激による緊張感がないとやりがいを感じられないので「挑戦」は常に大事にしていますね。

――自身のYouTubeチャンネル「みるるんチャンネル【白間美瑠】」で「再始動」と銘打った2025年5月アップの動画から、再び力を入れるようになったのもその言葉があったから?

白間:そうですね。元々「素の部分を見せたら、もっと好きになってもらえるはず」と周りから言われていて、他のメディアではまだ“アイドルモード”が抜けない自分がいるのも感じていたので、自然体の姿を切り取れればと思って「再始動」しました。日常で面白い出来事があったらYouTubeで話すためにメモをとるようになって、友だちと一緒に企画を考えながら、好きなものを発信しています。

――コンテンツの一つである「サウナ」も、白間さんの趣味として知られている印象です。

白間:5年ほど前、サウナブームにあやかってハマったんです。身体のメンテナンスにも欠かせないし「サウナ7分→水風呂3分→外気浴」の流れを3セット繰り返すのがルーティンで、お気に入りのサウナには定期的に通っています。

■ブレない芯を持つ姉と負けず嫌いな弟も芸能活動に刺激を

――サウナだけではなく、SNSでは各地で旅を満喫する様子もアップされていますね。

白間:出演中の旅番組『ふわり愛』で色々な都道府県に行かせていただいて、旅行の楽しさにめざめました。番組撮影で訪れた先の魅力や、そこで食べた御当地グルメのおいしさを伝えられる動画も作っていて、ファンのみなさんから「次、旅行するときの参考にするね」とか、色々なコメントをいただけるのはうれしいです。

――なかにはやはり、NMB48時代からずっと見守ってくださっているファンのみなさんもいますよね。

白間:はい。オーディションでグループへ加入した当時は、何もできずダンスの先生に怒られてばかりだった私がこれほど自信を持てるようになったのは、ファンのみなさんのおかげでもあるんです。だから「死ぬまで笑顔にしてみせる」という気持ちで、活動しています。長く応援してくださっている方々の存在はもちろん覚えていますし、ファンクラブ名「白間ん家」にも込めたように、家族のような関係です。

――本当の家族、姉でシンガーソングライターのMiyuuさん、弟で俳優の白間太陽さんも、活動の原動力になっているのではないでしょうか。

白間:番組で共演した経験もあるんですけど、みんなで一緒に共演する機会が増えればいいなって思います。お姉ちゃんはブレない芯を持ちながら活動を続けていて、尊敬している存在で。弟は負けず嫌いなのか、仕事があるたびに家族のLINEグループに「こんなことやったよ」と報告してくれるんです(笑)。なんでもやってみたいタイプですし、活動の場が違っても、姉や弟からはいい刺激をもらっています。

――この先、白間さん自身としてはどのような活動を続けていきたいですか?

白間:あまり、先のことを決めていないんです。未来を考えなければとは思いますけど、目の前に全力なのが自分の性に合っている気がするので。毎日を大切に生きていればきっと次に繋がるはずですし、今は28歳ですけど、30歳になっても「なんとかなる」の精神で生きていきたいですね。軸にあるのは「色々なことへの挑戦」なので、すべての経験が自分の糧になると信じて、興味を持ったことには積極的に取り組んでいきたいです。

文=カネコシュウヘイ 写真=後藤利江

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