せいろ蒸しで眼精疲労に効くブリ料理。からだと心を整える薬膳せいろ蒸しレシピが美味しすぎる!【作ってみた】

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公開日:2025/11/21

からだのトラブル解決ごはん 薬膳せいろ蒸し
からだのトラブル解決ごはん 薬膳せいろ蒸し(阪口珠未/自由国民社)

 体は食べたものでできている。だからこそ、忙しい中でも「食べる=体に入れる」という感覚を忘れずにいたいし、食を疎かにはしたくないですよね。中国医学には、薬食同源という言葉もあり、すべての食べ物に薬効があると考えられているそうです。

からだのトラブル解決ごはん 薬膳せいろ蒸し』(阪口珠未/自由国民社)は、その薬膳的な考えのもと、食材の性質や薬効を大切にしつつ、おいしくて続けやすいせいろを使った料理を提案しているレシピ本。12種類の「薬膳たれ」とともに紹介されるせいろ料理は、体をいたわりつつもしっかり満足感が得られ、毎日のおかずとして取り入れられそうなものばかり。基本的には手に入りやすい食材が主軸となっており、薬膳に馴染みがない人にも優しい仕様なのも嬉しいポイントです。

 せいろは、手軽に健康な食生活を目指せるとあって近年SNSなどで改めて注目を集めており、無印良品やスリーコインズでも販売されて売り切れが続出しています。また、NHKで放送されたドラマ『しあわせは食べて寝て待て』をきっかけに薬膳への関心も高まっている様子。筆者も今年で40歳と一層健康に気を遣いたい年齢になってきたので、内容を見つついくつか実際に試してみることにしました。

■「怪味たれ」/「怪味鶏とキャベツの蒸し物」(P.26~P.27)

 一つ目は、冬の薬膳たれ「怪味たれ」を使って作る「怪味鶏とキャベツの蒸し物」。白練りごま、醤油、蜂蜜、酢、おろししょうが、おろしにんにく、豆板醤、花椒粉を混ぜて作る怪味たれは、体を温める作用を持っています。これを知っておけば、どんどん寒くなっていくこれからの季節に重宝すること間違いなしです。

 たれができたら、あとはせいろを使って蒸していくだけ。塩と酒で下味をつけた鶏もも肉と玉ねぎをせいろに入れて強めの中火で蒸し、キャベツを加えてさらに蒸します。あとは鶏肉に怪味たれを塗って、粗く刻んだナッツやパクチー、花椒、ラー油をかければ完成! 今回パクチーが入手できなかったため、キャベツを蒸す段階で小松菜も入れてみました。

 せいろで蒸したお肉や野菜はしっとり柔らかく、それでいて素材の味がギュッと凝縮されしっかり濃くて、普通に茹でるより断然おいしい……! 野菜の甘みが引き立っている気がしました。シンプルですが、怪味たれの味がしっかりしているので物足りなさは感じませんでした。後がけしたナッツの香ばしさも良いアクセントになっています。

■「ブリのコチュジャンたれ蒸し+にんじんと卵の韓国風サラダ」(P.56~P.57)

 続いて、眼精疲労に効くという「ブリのコチュジャンたれ蒸し」と「にんじんと卵の韓国風サラダ」。パソコンやスマホで目の疲れを避けられない現代社会において、目を癒す食事はぜひとも知っておきたいですよね!

 ここで使うのは、コチュジャン、味噌、蜂蜜、酢、白ごま、おろしにんにく、粉唐辛子を混ぜた「コチュジャンたれ」。これにオイスターソース、おろししょうがを加えたものをブリに塗ったものとにんじんを別のシートにのせてせいろへ入れ、隙間に卵を入れて蒸します。

 その後ブリの上に小松菜、にんじんの上にかいわれ菜をのせてさらに蒸し、すべてに火が通ったら、殻をむいた卵とにんじん、かいわれ菜、キムチ、味噌、ごま油を、卵を潰しながら混ぜて完成です。最後に小松菜に白すりごまをふります。

 せいろ1つで同時に3品も作れるこのレシピは、知っておくと時短にもなりそうです。ブリの身はふわふわ、野菜もみずみずしく甘さが引き立っていて、改めて蒸気のすごさを感じます。ピリ辛コチュジャンたれで、ごはんのおかずにもぴったり! 個人的に、ゆで卵も同時に作れちゃうのが画期的だと感じました。

 作ってみたどの料理も、「野菜ってこんなにおいしくて満足度が高かったんだ」と思わせてくれる、蒸しただけとは思えないおいしさでした。さすがに一度食べただけで眼精疲労への効果は分かりませんでしたが、食べたあとは体がぽかぽかして暑いくらいに! 食べ応えを考えるとついつい焼いたり揚げたりに走ってしまいがちですが、せいろ蒸しもやり方次第でしっかりとした満足感を得られます。

 これまでせいろ蒸しや薬膳について「耳にしたことはあるけど」「気にはなっているけど」と躊躇っていた人も、本書で一歩踏み出してみてはいかがでしょうか? きっと、スーパーで野菜を見るのが一層楽しくなりますよ!

調理・文・写真=月乃雫

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